筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センター年報創刊号 令和元年度 2019 p1 目次 巻頭言 東西医学統合医療センター年報発刊にあたって 鮎澤  聡…………… 3 年報の発刊に寄せて 石原 保志…………… 5 年報の発刊に寄せて 加藤 一夫…………… 6 寄稿文 筑波技術短期大学附属診療所初代所長赴任と開所披露式 原  桃介…………… 9 東西医学統合医療センター開設時のエピソード 西條 一止…………… 10 運動療法室の開設 高橋  洋…………… 11 東西医学統合医療センターの各部門の紹介 東西医学統合医療センターの診療システムの紹介 …………… 13 コロナの時代の漢方 平山  暁…………… 14 看護部門紹介 根本由紀子…………… 15 放射線部門紹介 吉田 次男・水木 知恵…………… 16 臨床検査部門紹介 木村 里美…………… 17 理学療法部門紹介 杉田 洋介…………… 17 施術部門の状況 櫻庭  陽…………… 20 あん摩マッサージ指圧師外来ことはじめ 佐々木 健…………… 21 教育の場としての東西医学統合医療センター 鍼灸学専攻の教育と医療センターの関わり —学生にとって最高の学びの場— 殿山  希…………… 25 医療センターの理学療法学専攻の教育における役割 酒井 俊…………… 26 卒後臨床教育 リハビリテーション科における卒前・卒後臨床教育の取り組み 佐久間 亨…………… 29 鍼灸師に対する医療施設内での卒後臨床教育 成島 朋美…………… 30 卒後臨床教育 現役研修生の声 研修を経験して 森田  翼…………… 33 鍼灸・マッサージ臨床研修 菊地 勇史…………… 34 p2 スタッフ一覧………………………………………………………………………………… 37 活動報告 令和元年度活動報告 …………… 41 COMPASS …………… 42 公開講座の紹介(医師向け・市民向け・初学者向け) 櫻庭  陽…………… 43 第1回筑波技術大学研修生同窓会 報告 成島 朋美…………… 44 令和元年度 つくば鍼灸研究会 七川 照男…………… 45 東西医学統合医療センター発表会 資料集 …………… 49 東西医学統合医療センター令和元年度業績  …………… 67 年譜 …………… 78 来院患者数 …………… 80 編集後記 木村 健作…………… 81 p3 巻頭言   東西医学統合医療センター年報発刊にあたって 東西医学統合医療センター センター長 鮎澤 聡  この度、東西医学統合医療センターの年報を発刊するはこびとなりました。この記念すべき創刊号の発刊時にセンター長として立ち会えたことを大変嬉しく思います。  統合医療センターには、二つの大きなミッションがあります。  一つは言わずもがな、本学の視覚障害学生の臨床教育です。現在、卒前教育として鍼灸学専攻、理学療法学専攻の学生がセンターにおいて臨床実習を行っております。さらに、 鍼灸ではカリキュラム改訂に伴い臨床教育が重視されたことで他の専門学校からの学生の講義を受け入れることもでてきました。また、卒前教育のみならず、卒業生の卒後教育や、 理療科教員の長期・短期のリカレント教育も展開されています。  二つ目は統合医療の実践です。センターでは、理学療法を含む西洋医学と、漢方医学・鍼灸・手技治療の東洋医学で協働して治療にあたっております。カンファレンスなどを通 して患者情報を共有しつつ治療を行うという体制は国内にもめずらしく、これは二十数年前に開設にたずさわった先生方の慧眼により構築されたものといえるでしょう。鍼灸にお いては卒後研修制度がつくられており、専門学校や盲学校を卒業した後に一定期間センターで研修を行いますが、この期間において彼らは西洋医学や理学療法的観点も踏まえて治 療することを学んでいます。理学療法においても、卒業生が理学療法士としてセンターで働くようになりましたが、彼らも鍼灸師と相談しながら治療にあたっています。  私どものセンターには、この二つのミッションの完遂、すなわち視覚障害教育と統合医療との両立が求められます。またそこに本学におけるセンターの意義があるとも言えます。 しかしながら、より細分化・高度化された現代の医療において、鍼灸・手技治療を位置づけていくのは容易なことではありません。また、臨床教育においても、従来の理療教育と は異なった内容が必要となるでしょう。一方、そのような現代の医療体系を追従することが本当に適切なのか、という考え方もあります。  統合医療とは、単に東洋医学や西洋医学の多部門がありそれを使い分ければ良い、という訳ではありません。ある意味では東西医学などという言い方をしているうちは、真の統 合に至っていない、とも言えるでしょう。現代あるいは今後の社会を見つめ、要請されている「新しい医療のありよう」を私たち自らが発信していくことが必要なのだと思います。 私自身は、悪い部分を見つけて治す、という従来型の医学ではなく、生体の持つ生命力や自然治癒力にその根拠をおき、鍼灸や手技療法・理学療法などを通して人と人が直接に触 れ合いながら健康を創り出していく、という視点が今後重要になると考えています。また、そこに本学の卒業生を含め、視覚障害者が医療において主体的に活躍できる場が得られる のではないかと考えています。  センターでは、令和元年度から、"COMPASS"という合同カンファレンスが始まりました。 これは、”Conference on Medicine, Physiotherapy, and Acupuncture. Skills and Studies”の頭文字をとったものです。これには、我々自身が羅針盤になり、新しい文化を皆で創っ て行こう、という意味が込められています。年報の発刊は、年毎に自らを見直し、将来を展望して舵をとっていくのに役に立つものと信じています。 p5 巻頭言 年報の発刊に寄せて 筑波技術大学 学長 石原 保志  筑波技術大学は視覚障害者、聴覚障害者のための高等教育機関として1987年に三年制短期大学として設立され、2005年に四年制大学となり現在に至っております。全国の国立大 学は法人化以降、個々の大学の特色を打ち出す努力をしてきましたが、本学においては設立時より学則第一条に記される「聴覚・視覚障害者のための」という独自性を打ち出して おり、障害がある学生の各種職業領域における活躍を目標とした教育が継続して行われてきています。少人数教育の下、多様な発達的特性の学生の実態に即した学習者本位の教育 が、座学だけでなく実習や実験等の様々な場面で展開されています。  一方、東西医学統合医療センターの前身である筑波技術短期大学附属診療所は、東洋医学と西洋医学の治療を統合して行う国立の診療所として1991年度に設立され、翌年度4月 より診療を開始しました。その後、国立大学の法人化と四年制大学への移行を経て、現在の保健科学部附属医療センターとなっています。  医療センターは、医療教育の場としても重要な役割を果たしています。鍼灸分野と理学療法分野の臨床実習、研修です。鍼灸分野では、卒前鍼灸臨床教育として、本学鍼灸学専 攻の学生は教員の臨床に参加しながら、鍼灸臨床の実際を総合的に学ぶ貴重な機会を得ています。また鍼灸師研修として、本学卒業生を含め鍼灸師の免許を取得している方々を対 象に卒後臨床研修を行っています。教員と研修生が鍼灸診療グループを構成し、見学から始まり、ほぼ独力での施術に至るまでの研修となっています。理学療法分野では希望する 卒業生を対象として、理学療法研修を実施しており、理学療法士免許取得後の一定期間を医療センターにおいて本学教員の指導を受けながら臨床体験を積むことで、知識、技術、 態度など、理学療法士に求められる臨床実践力を養っています。  このような特徴的な機能を有する医療センターが筑波技術大学にあることを、本年報を通してより多くの方々に知っていただくことを祈念いたします。 p6 巻頭言 年報の発刊に寄せて 筑波技術大学 保健科学部長 加藤 一夫  平素より、東西医学統合医療センターの運営にご協力を賜りまして、心より御礼申し上げます。この度、診療・施術のご報告として年報を発刊する運びとなりましたので、ここ に皆様にお届けいたします。  当センターは、東洋医学(漢方・鍼灸)と西洋医学の治療を効果的に統合して提供するために、筑波技術大学の附属診療施設として平成4年4月に設立され、間もなく30年に なろうとしています。この間、当センターでは、神経外科、神経内科、循環器内科、腎臓内科(漢方)、整形外科、内分泌・代謝内科の常勤の医療スタッフによる質の高い診療と、 鍼灸・あん摩マッサージ指圧の施術、リハビリテーション(理学療法)を高度に組み合わせることにより、これまで治療が困難であった、数多くの疾病による痛みの緩和、症状の 改善等に貢献して参りました。  当センターでは、大学の常勤教員が中心となり、各専門領域を活かした診療・施術を行っており、施術部門においては、国家資格を有する施術者が伝統的な治療法に科学的観点 を加えた鍼灸・あん摩マッサージ指圧治療にあたり、また、診療部門の一つであるリハビリテーション科においては、理学療法士が整形外科医師と連動したリハビリテーション治 療にあたっております。これら当センターの特色ある体制は、小規模ながらも各部門が機能的に統合し、効果的な医療サービスの提供を可能としております。  現に当センター利用者の約半数が鍼灸・あん摩マッサージ指圧の施術を希望されており、これらの需要に応える形で、平成27年には新しく西棟を増築し、あん摩マッサージ指圧 の施術部門とリハビリテーション科を拡充し、新たな病棟を用いて治療が行われているところです。また、本学保健科学部及び大学院修士課程に在籍する学生の教育施設でもあり、 視覚に障害がある学生が、鍼灸・あん摩マッサージ指圧と理学療法学における臨床能力を向上させるために、日々勉学に励んでおります。  鍼灸学専攻に在籍する学生の臨床実習においては、地域住民の方々にボランティアで模擬患者としてご参加いただき、大学院の臨床研究においては、患者様にご協力をいただい おります。また、日々の医療サービスを通じて蓄積された知見は、当センターにおける研究成果として、広く国内及び海外の専門誌に発表しているところです。これら多大なご協 力に関して、スタッフ共々ここに深く御礼申し上げます。  患者様やそのご家族様はもちろんのこと、医療機関、コメディカルの教育に関わる方々が当センターにお立ち寄りいただき、東洋医学と西洋医学を有機的に結びつけた医療サー ビスによって、これまで改善することが困難であった病態の緩和にお役立てできれば、我々にとってこの上ない喜びです。このことは当センターがめざす目的の1つでもあります。 今後とも近隣の患者様はもとより、全国の患者様の「疾病の克服と健康の創生を通じての社会貢献」を目指して、当センターでは診療・施術を行って参ります。この年報を通じて、 現状を詳細に分析することにより、当センターがさらに患者様のお役に立てるよう、1歩1歩確実に歩んでいく所存です。これからも筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医 療センターをどうぞ宜しくお願い申し上げます。 p8 ◆ 寄稿文 ◆ p9 筑波技術短期大学附属診療所初代所長赴任と開所披露式 東西医学統合医療センター 初代センター長 原 桃介  私がこの大学に赴任したのは、西条一止先生からお誘いがあったからですが、以前私が東大物療内科にいたころ昭和40年、東京教育大学附属盲学校教諭として2年半、昭和50 年には筑波大学附属盲学校講師に採用されていたのです。そのころは物療内科と附属盲学校や理療科とは密接な関係があったのです。私以外にも多くの医師が次々に講師になって いました。東洋医学の有効性に対する厳正な批判の書である「漢方の認識」を書かれた高橋晄正先生は教育学部理療科の非常勤講師をして症候概論の講義をしておられましたが、 講義の後で芹沢教授の研究室の人たちと鍼灸医学のメカニズムについて研究するようになったとのべておられます。ちなみに高橋先生は私の物療内科において研究の指導教官でも ありました。  平成3年5月1日私が満60歳になった日に筑波技術短期大学に赴任しました。診療所はまだ建設中で診療開始まで一年間の準備期間がありました。あちこちの研究所や診療所を 見学しておりましたが、私がもっとも心配していたのは果たして多数の患者さんが来てくださるかということでした。鍼灸学科の先生たちは皆ベテランでしたから、自信をもって 心配ないといっておられました。診療所と私の漢方の方をしっかりやって下さいとのことでした。実は私が心配した理由は、以前昭和50年ごろ渋谷にあります花田学園に診療所 を作るというので私と代田文彦先生(元東京女子医科大学附属東洋医学研究所教授)とが数年間応援に行ったのですがあまり繁盛しませんでした。そんな苦い経験があったからで す。  これは余談ですが、そのころ花田傳理事長は、将来大島良雄先生に学長になってもらって、関東鍼灸医療大学を作るのだという大構想を持っておられました。私どもは花田理事 長の大風呂敷として聞いておりましたが、平成21年に花田学園は東京有明医療大学を創立されたので大変感心いたしました。 平成4年3月27日附属診療所開所披露式が大学会館において盛大に挙行されました。三浦功学長ら学内関係者をはじめ、文部省の若林元専門教育課長、筑波大学の阿南功一学長、 堀源一医学専門学郡長、東大医学部物療内科の伊藤幸治教授、北里研究所東洋医学総合研究所の矢数道明名誉所長、筑波技術短大の芹沢勝助参与など多数の関係者が出席し、東洋 医学(鍼灸・漢方)と現代医学の治療を統合して行うことのできる国立では初めての診療所の誕生を祝いました。以上のように多くの人たちのご支援により、診療初日は大入り満 員で私が昼食をとったのは午後3時すぎでした。こんな状況が一か月以上順調に續きました。  後日、西条先生と相談して大島良雄先生(元東大物療内科教授)を診療所の視察・案内に招待いたしました。そして先生から「筑波技術短大でかねてから私が期待していた医師 と鍼灸師との共同の診療と研究が体制を備えているのを現実にみられたのはなによりの喜びでした。今後の発展を期待しております。」との礼状をいただきました。   私はこの大学に4年しかおりませんでしたが、その後大学は短期大学から4年制大学に昇格し、世界的規模で活躍発展されているのを見るとたいそう嬉しく思う次第です。 p10 東西医学統合医療センター開設時のエピソード 筑波技術短期大学名誉教授 医学博士 西條 一止 1 鍼灸学科のための臨床実習施設  臨床実習施設として施術所の設置が必要であった。しかし、短期大学の設置基準に医療機関の設置は条件には無かった。そのため、当初の計画に文部省は附属診療所の設置をし なかった。私は、我が国で国立の大学機関に初めて設置される鍼灸学科には、医療機関の設置が必要であるという主張を丹念に行い、ついに文部省の担当者の同意を得て附属診療 所の設置が認められた。 2 附属診療所の目的  1 現代医療。2 漢方医療。3 鍼灸。の3つを統合した医療を提供することを目的とした。今でこそ医鍼連携ということが話題になるが、30年前に3つを統合することを目 的として設置した。3つを統合した医療を目的としているから、当然、鍼灸治療は自由診療とした。 3 MRIの設置  附属診療所の検査機器として、通常のX線、X線CTまでは問題はなかったが、鍼灸においては、いわゆる腰痛の症例が最も多いので、軟部組織情報が得られるMRIは、ぜひに もほしい機器であった。当時、診療所にMRIを設備している例は無かった。国会議員にもお願いし、文部省に強力にお願いし、ついに設置を約束していただいた。  当時、文部省でMRIが予算化されると、同時に重量物の入れられる建物の予算も付くような仕組みであった。しかしそれではMRI室が別棟になってしまうので、それでは使いに くいと主張し、診療所の建物の中に設置するようにしてほしいと説得した。  担当者がついに同意し、診療所の建築の中に「物置」という名目で「MRI」を設置出来る基礎工事をするという「案」を提案してくれ、現在のMRI室が実現した。この様にして X線、X線CT、MRIとフル装備が出来た。 4 診療所の組織 ① 専任組織  診療所長:医師:教授(呼吸器内科、漢方)。看護婦長1、看護婦1。薬剤師1、  診療放射線技師1、臨床検査技師1、医事係:係長1、事務官2。  施術所:鍼灸師:助教授1、鍼灸師:助手1。非常勤専任事務官受付係1。 ② 兼任組織  医師:教授:神経内科、教授:小児科、(以上、鍼灸学科所属)。教授:整形外科(理学療法学科所属)。:教授:精神科2,(保健管理センター所属、視覚部1、聴覚部1)  施術所鍼灸師:教授2,助教授6(鍼灸学科所属) ③ 臨床研修生  鍼灸の臨床経験を積み研究を行う場として臨床研修生の制度を作った。鍼灸についての資格を持つことを入学資格とした。 5 東西医学統合医療センター開設  当時、鍼灸の大学機関が鍼灸臨床機関を開設することに、地元の鍼灸関係者は賛成しなかった。しかし、茨城県の鍼灸師の人達は当センターの開設祝賀会に花束を贈りお祝いし てくださった。  p11 運動療法室の開設 新潟リハビリテーション大学 大学院 高橋 洋  この度は筑波技術大学附属東西医学統合医療センターの年報発行おめでとうございます。私は平成24年に定年退職を迎えましたが、その数年前、医療センターの2階に運動療法室 を開設することになり、その頃専攻長をしていたこともあり、どのようなものを設置し、記録室をどうするかなどの計画に携わっていた記憶があります。整形外科医の木下先生が 診療し処方をもらい、理学療法専攻の理学療法の資格を持つ教員が運動療法室で行うという形を作りました。また学生の臨床見学としても使えるようにしたので、臨床実習に行く 前に慣れるためには有効な方法だったと思います。教員自身も理学療法の場合、教員をしていると診療の機会があまりないことが多く、自分の臨床能力を磨き、また学生に臨床場 面を見せることで信頼関係を築くことができるのではないかと思います。オスキーなどもやられていますが、健常なモデルを相手にやるのと実際の患者を相手にやるのでは真剣度 が違います。私の退職後、新しい診療棟ができて、設備等が充実し、かたちが整ってきたようです。  医療センターの活動は大学内でもあまり知られることがないので,年報を発行することでその活動状況を外部に知らしめ、また診療所の活動内容の発展に有効に働くのではない かと期待しております。 p12 ◆東西医学統合医療センターの各部門の紹介◆ p13 東西医学統合医療センターの診療システムの紹介  当年報の初めに,東西医学統合医療センターの診療システムがどのようなものかを,大まかに紹介させていただきます.当医療センターでは月曜から金曜まで,午前・午後の半 日区切りで様々な診療科が開設されています.具体的には漢方・内科・腎臓内科,整形外科,脳神経外科,脳神経内科,循環器内科,内分泌・代謝内科,精神科と様々な分野の医 師が勤務しております.予約が必要か否かは,各診療科によって異なります.例えば整形外科では,レントゲン画像など医学的な情報を基に,必要な方には鍼灸が適応になるか, リハビリが適応になるかを判断し,症状に応じた治療を勧めて頂けます.また,循環器内科では,疲労を感じやすい自覚症状がある方などに心肺運動負荷試験を行い,必要であれ ば理学療法士が心臓リハビリテーションを実施していきます.「自分は体力的にはまだ大丈夫だろう」と思っている方でも検査してみると異常の早期発見ができる可能性があります.  脳神経内科や脳神経外科においても,脳血管障害後の痛みやしびれなどの症状に対し,鍼灸やマッサージ,リハビリかを適切に判断し,勧めて頂けます.  また漢方内科・腎臓内科では,東洋医学に根差した診療も行われており,症状に合わせた漢方薬の処方や,目眩や不眠などに対して鍼の施術を勧めて頂けることもあります.原 因にもよりますが,目眩や不眠に鍼治療が奏効するというのは,初めて聞いた方には不思議に思えるかもしれません.こうした,西洋医学的な観点と東洋医学的な観点を持ち合わ せ,症状に合わせてリハビリや鍼灸の適応を見極めて下さる医師とリハビリ,鍼灸やマッサージの施術部門が連携した東西医学が統合した医療が,当院の最大の特徴です.(木村健 作) p14 コロナの時代の漢方 東西医学統合医療センター 教授 平山 暁  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は全世界に拡大を続け,執筆時点で全世界の感染者数は2300万人,総死者数は80万人を超えている.日本が他国と比べ人口百万人当たり の患者数,死者数ともに少ない傾向にあるのは不幸中の幸いであるが,これは国民の高い医療への協力意識とこれまでに構築された医療体制に依るところが大きい.が,感染拡大 の中で疲弊が累積してきていることも事実であり,直近の外来でも,感染への緊張やいわゆる自粛疲れにより,高血圧など西洋医学疾患で通院している患者にも,東洋医学的な「気」 の異常を呈する例が増加している.  COVID-19が中国武漢市を起源としていることから中医学による治療法は多く報告され,その期待も大きい.渡辺らは中国,韓国,台湾におけるCOVID-19に対する伝統医療を報 告している1).中国では傷寒論処方である麻杏甘石湯・小柴胡湯・射干麻黄湯・五苓散などをもとに清肺排毒湯が開発された.また新型冠状病毒肺炎診療方案として軽症から重症 まで病状に応じた中医学処方のガイドラインが示されている.さらに,台湾ではCOVID-19感染予防に重点をおいた処方が開発され台湾国家中医薬研究所から公表されている.これ にはエキス生薬もあり,一部入手の難しいものもあるが日本でも使用は検討されるべきである.  これらの治療法が日本において広く受け入れられ実際に使用されるには,科学的根拠が必要であることはいうまでもないが,COVID-19のように極めて短期間で拡大する疾病に 対してはエビデンスを積み重ねる時間がない.この状況下で科学的根拠に基づいて治療を行うためには,「科学とは何か」という問いへの理解が必須である.科学への理解を欠いた 為政者による失政も残念ながら世界中に拡散している.しかし,我々医療者が同じ轍を踏むことは許されず,伝統医学に立脚した治療であっても現代科学の批判に耐えうる必要が ある.さもなくば,伝統医学は有用な処方でも魔術奇術の類いと捉えられかねない.  ルネッサンス以降に成立した現代科学は,より古い理論体系に基づく漢方医学とは方法論において相容れない部分がある.漢方医学は,現代科学成立以前から存在する伝統医学 として最も体系づけられており,西洋医学を補完する治療法として最も有用であると考える.COVID-19感染拡大という人類の未曾有の危機に対抗するためには,漢方医学の持つ 総体俯瞰主義を現代科学の分析主義手法を癒合させることにより真に有用な治療を提供する義務が東西医学統合医療センターにはある.そのためには成果を一部の利益に限局する ような秘密主義を排除するとともに,本当に「非科学的な」代替医療とはっきりした差別化を行わなければならない.東洋医学を背景に持つ医療者は論文発表や学位を通じて,西 洋医学を背景に持つ医療者は専門医をはじめとする東洋医学有識者としての資格により,患者に対し目に見える形で東西両医学への知見を示すことが今後強く求められる. 1) 渡辺賢治ほか. web医事新報No.5008 2020/4/18 https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14426 p15 看護部門紹介 看護師長 根本 由紀子  この度、年報創刊号の発刊にあたり、これまで当センターを支えてくださいました多くの皆様に、心より感謝申し上げます。  私がこの大学に赴任してまいりました頃は、春には大学の敷地内で山菜が採れ、貴重な原種の山桜や藤、すみれ等の花々が咲いて、職員や訪れる患者様の気持ちを和ませており ました。現在その場所には、理学療法室や鍼灸・マッサージ室の増築がされ、患者様満足度の高いリハビリテーションおよび施術が提供されております。  東洋医学に携わって初めに感じたことは、当時、西洋医学では聞きなれなかった未病という状態の方が多いということでした。そして、ここでは「未病を治す」(貝原益軒「養生 訓」より)という取り組みがなされていることを知りました。  現在、診療部門には10の診療科があり、外来看護師の仕事は、問診から診療介助、処置、説明、指導、他部門および他機関との連携に至るまで多岐にわたっておりますが、限られ た時間の中で、未病状態から終末期まで、様々な状況にある患者様の状態を把握するために、診療待ち時間を利用して、既往・現病歴、生活歴、社会的背景に至るまで細かな問診 をさせていただき、医師がスムーズに診療できるようにしております。また、急変等異常の早期発見、感染症管理のためのバイタルサイン測定を徹底しております。  組織の医療安全や感染症対策では、他部門と協力しマニュアル作成、各種研修会の企画・実施をしてまいりましたが、来院者数の増加、要介護状態者数の増加により、これまで実 践してきた安全対策について、更に検討していく必要があると感じております。昨今の新型コロナウイルス感染症対策におきましては、鮎澤センター長のご指示のもと、 担当者が中心となって様々な対策がなされており、患者様からは「安心して受診できる施設」という言葉をいただいております。  開設当初は、「(西洋医学の)診察をしていないと思っていた。」という言葉をよく耳にしましたが、近年知名度も上がり、東西医学共に地域に根付いた施設になってまいりました。 これからも、患者様が安心して在宅療養できるように外来看護を行っていきたいと思っております。  最後になりますが、大学の附属機関ということで、鍼灸・マッサージ等治療に関する先生方の研究や、厚生労働省の薬害調査研究、認知症予防に関するプロジェクト、総務省の 健康被害に係る緊急措置事業等、国の事業の一部に参加させていただきましたことは、その歴史や取組みを学ぶうえで貴重な経験になりました。 p16 放射線部門紹介 医師 吉田 次男 診療放射線技師 水木 知恵  当医療センターの放射線部門は、骨や胸腹などを撮影する一般撮影検査、身体の横断面を撮影するX線CT検査、骨密度を測定する骨密度測定(DXA法)、永久磁石によるMRI 検査があります。平成4年の開所当時からのデータ画像を全てファイリングシステム(PACS)に保存しています。  整形外科領域での検査が主流ですが、脳神経外科、脳神経内科の検査も担っております。  また大学との連帯で鍼灸や理学療法の学生に対し、施設見学や講義を行い高等教育機関としての役割も果たしております。  開所当時から放射線科医師が在任し、放射線技師と連帯して質の高い画像やデータを提供し、当センターの医療に貢献できるようにしています。  昨年度は放射線医療安全の法改訂の準備にあたり、職員に対して放射線医療安全の講習会を開催し、放射線検査の危険性と安全性について啓発させていただきました。  放射線部門は今後も放射線医療の安全を守り、常に最先端の情報を収集し、質の高い画像やデータ提供、また統合医療センターとして患者さんの心に寄り添った医療の一員とし ての役割を果たし、大学として放射線医療の正確で分かりやすい情報を提供する役割を果たしていく所存です。 p17 臨床検査部門紹介 臨床検査技師 木村 里美  臨床検査部門は現在、臨床検査技師 常勤1名、非常勤2名(16時間/週)で検査を行っています。主に生理機能検査を行い検体検査は尿の簡易検査、インフルエンザ抗原検査な どの至急検査以外は外部の検査センターに委託しています。  平成4年の開所当時は常勤1名で、生理機能検査は5項目(心電図、呼吸機能、超音波、神経伝導速度、脳波検査)程度でした。医療センターとなった現在は10項目以上(5項目 に加え、サーモグラフィ(負荷)、ホルター心電図、血圧脈波、表面筋電図、NET、ENoG、聴力、終夜脳波(簡易)、24時間血圧検査等)の検査を行っています。最初は外部委託をし ていたホルター心電図検査等の解析も現在は当医療センターで行うことができ、検査結果が出るまでの期間がかなり短縮されました。また自律神経機能の検査を行っておりこれは、 先生方との共同研究を通じて当医療センターでの基準値を作成し、始めた検査で、他の医療機関からの依頼も受けています。他にも顔面麻痺の患者の客観的な施術評価の為鍼灸部 門に研修に来られていた先生より依頼があり始まった検査(表面筋電図、NET、ENoG)もあり、検査項目は少しずつ増えてきています。  昨年よりSAS(睡眠時無呼吸症候群)検査(外部委託)、CPX(心肺運動負荷検査)も始まりました。  また当医療センターは鍼灸学専攻の学生の臨床実習の場でもあり、短時間ではありますが、検査室での実習も含まれています。  検査部では常に患者さんが安全に検査を受けられる様配慮し、信頼できる質の高い検査結果をより迅速に提供できる様心がけています。 理学療法部門紹介 リハビリテーション科 杉田 洋介 【部門の歴史】  国立大学法人筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センターのリハビリテーション科は2011年4月に新設されました。立ち上げに携わった多くの諸先輩方の意思を引き 継ぎながら,今年で10年目の節目を迎えております。開設当初は医療センター2階にある手技・物理療法室をリハビリテーション室として使用していましたが,2015年10月から 新設された西棟で診療を行っています。 【現況報告】  スタッフは,医療センター教員1名,非常勤の研究員および職員3名,研修生1名,理学療法学専攻の教員6名,受付1名の計12名です。施設基準は運動器リハビリテーション 料(Ⅰ),心大血管リハビリテーション料(Ⅰ),脳血管疾患リハビリテーション料(Ⅲ)を取得しています。開設当初より,対象の大半は運動器疾患であり,続いて脳血管疾患(脳血 管障害,神経筋疾患,小児疾患),心大血管疾患(心筋梗塞後,慢性心不全)と続きます。2019年度の延べ件数は5661件(運動器疾患4129件,心大血管疾患255件,脳血管疾患1277 件)であり,開設当初より継続して増加傾向であります(延べ件数は開設初年度と比較して35.4%の増加)。この点については,リハビリテーション科スタッフ,診察室はじめとし た他部門の協力に叩頭三拝であります。 【研修・卒後教育】  リハビリテーション科では2016年より卒後研修の制度が開始されました。対象は本学の理学療法学専攻の修了者であり研修期間は概ね1年間となっています。視覚障害を有する 理学療法士を対象とした研修であるため,拡大読書器やパソコンなど情報保障機器も一通り揃えています。患者診療をはじめとした臨床業務を中心に学ぶ他,週1回の勉強会とカ ンファレンス,筑波大学附属病院のリハビリテーション科に出向いての研修(月2回)が主な研修内容です。自身の考えや問題意識を発信することを目的に,茨城県理学療法士会 主催の症例報告会での発表を推奨しています。  理学療法学専攻の学生を対象とした臨床実習も受け入れています。今年度は新型コロナ感染症の影響で,多くの養成施設が臨床実習を断念せざるを得ない状況でしたが,感染対 策を施したうえで,本学の4年生全員が医療センターで臨床実習を行うことができました。理学療法学生は学外での臨床実習がカリキュラムに組み込まれていますが,多くの場合は 患者に接する実践環境は学外での臨床実習が最初となり,時に患者や実習施設のスタッフとのコミュニケーション不足や,リハビリ場面におけるリスク管理能力の不足が問題とな るケースが散見されます。このような点に対処するために,リハビリテーション科では学生の見学や臨床実習を積極的に受け入れるようにしています。 【今後の課題】  課題は診療・研究の両面において,当センターの特色である統合医療に関する研究や症例を発信していく必要があるということです。特に心大血管疾患リハビリテーションと統 合医療については議論の余地があると捉えています。合同カンファレンスや医療センター主催の勉強会であるCompassを通じて,統合医療とはどのようなものかということがおぼ ろげに理解できてきましたし,統合医療を意識したコミュニケーションが醸成されつつある今だからこそ取り組むべき課題かと思います。教育面については,更に積極的に本学の 学生を実習・研修で受け入れていきたいと考えています。恥ずかしい話ではありますが,臨床実習生を通じて私自身も視覚障害について学んだ点や再考すべき点が大いにありまし た。私個人にとっては相互教育だと感じておりますし,学生や研修生にとっても外部施設に向かう前に臨床現場のイメージを形成する目的に積極的に利用してほしいと感じており ます。  今後も多くの方々からご指導を賜りながら地域に根差したリハビリテーションの提供,および統合医療の一翼を担えるような活動が行えるよう努めてまいる所存です。 p20 施術部門の状況 東西医学統合医療センター 准教授 櫻庭 陽  寄稿にあたり、施術部門の歴史も含めてとの依頼をいただきましたが、歴史や貴重な想い出は、今後、多くの先生方の御寄稿で紹介いただくことにさせていただき、私からは最 近の状況についてご紹介させていただきます。  施術部門は、開設時より鍼灸を中心にした施術を提供してきましたが、2015(平成27)年の西棟開設を機に、あん摩マッサージ指圧による外来(マッサージ外来)を設置しまし た。西棟は、全室個室で施術ベッドの四方の動線を確保して円滑にマッサージができるようにしたほか、灸の煙によるアレルギー対策として、隔離可能な特別室を設置しました。 スタッフは、鍼灸学専攻のプロパー教員・研究員7名、非常勤教員2名、医療センター教員2名、補助員4名、大学院生4名、研修生13名、施術部門受付1名の計33名です。施 術のながれは、以前と同様、患者が医師の診察を受けた後に施術依頼状によって紹介され、電子カルテやデジタル化した画像検査等の情報を共有します。施術とリハビリテーション を併用する患者も多く、症状やニーズに合った医療を提供しています。このような取り組みやスタッフのおかげで、昨年度の施術患者は9,862名(月平均41.6名)で、過去5年間 は増加傾向にあります。地域の鍼灸師とのつながりも強化しています。歴史のあるつくば鍼灸研究会には若い参加者が増え、他施設の鍼灸とあまり関わりが無い医師や薬剤師等を 講師に招いて、鍼灸と接する機会をつくっています。また、昨年開催した茨城国体や県内のマラソン大会等のケアブースでも、協働して活動をしています。その他、社会貢献とセ ンターの啓蒙を目的に、医師や市民を対象とした公開講座を開催したり、他の鍼灸養成校の受託実習を受け入れたりしています。  教育の面では、特に卒後研修の充実に努めています。現在は2つのコースを設けていて、1つは本学卒業生や視覚障がい者を対象に、就職前の短時間で技術を身につけたい、働きな がら学びたい等の要望に対応した週1日から学べるコースです。現役の視覚支援学校教員もこのコースに所属していました。もう1は晴眼者も学べる2年間のコースで、1年目は5 日、2年目は3日以上の参加を義務として、多くの臨床経験が積めるようにしています。入所後の1ヶ月半は導入プログラムを実施して、基礎知識・技術の復習と定着、医師の診察 やリハビリの見学、各教員による講義等を受けます。その後は、指導教員のもとで臨床を中心に学ぶほか、月1回の勉強会や英語論文の調査、リハビリとの合同カンファレンス、2 名の施術者で1人の患者を診るペア診療、年度末には症例報告会、2年目には筑波大附属病院や他施設の脳神経外科や総合診療科、緩和ケア科等へ出向いて短期研修を行うなど、盛 りだくさんの内容です。併せて、研修生が学会発表をする際は交通費等を支給したり、環境業務に対しての謝金を支払ったり、視覚障がい者限定で大学宿舎が利用できたりと、僅 かですがサポートを行っています。2019年に初めて研修生同窓会を開催しました。今後も研修生がつながっていく取り組みも行っていきたいと思います。  医療センターに関わる多くの教員や研究員、大学院生や研修生がセンターで研究したり、症例報告をしたりしてきました。しかし、今後はストロングポイントである統合医療に関 する研究や症例、実践例を発信していく必要があります。現在までに、医師と理学療法士、鍼灸あん摩マッサージ指圧師による合同カンファレンスやセンター関係者が全員参加する 勉強会のCompassを通じ、統合医療を意識したコミュニケーションが醸成してきました。これらの取り組みを礎にして、今後は積極的に取り組んでいきたいと思います。  最後に、当センターで鍼灸あん摩マッサージ指圧師が学べることは、2つの協働だと思います。1つは、他の医療スタッフとの協働、もう1つは視覚障がい者と晴眼者との協働です。 今後の世界が目指すべき、多職種連携による治すから“支える医療”と、障がいを共有する“バリアフリー社会”について、当センターでは2つの協働によって既に実現している と考えています。今後も多くの方々からご指導やご支援をいただきながら、さらにブラッシュアップを重ね、広く発信していきたいと思います。 p21 あん摩マッサージ指圧師外来ことはじめ あん摩マッサージ指圧外来 佐々木 健  私は平成27年新設のあん摩マッサージ指圧外来(以下、当外来)で施術を担当している。当外来の新設は西棟構想の会議で検討されたが、その土台は本学の先行活動にある。列記 すると「鍼灸学課程認定にあん摩マッサージ指圧師養成を加えたこと」「手技療法に関する学術研究」「海外の手技療法との交流(仏、英、中国等)」「オイルマッサージの実践的教育」 が挙げられる。特にオイルマッサージ等の西洋発祥の手技に関する研究と教育は、殿山希先生の功績が大きい。  ところでマッサージ導入は明治時代に遡る。奥村三策は東京盲唖学校で西洋流のマッサージを教え、生徒の富岡兵吉は後に東京帝国大学附属病院で本邦初のマッサージ師として 働いた。その後、昭和の終戦を機に時運を得てマッサージはあん摩マッサージ指圧師として法律に載ったが制度改革に翻弄もされた。述懐すると「診療報酬点数表にマッサージが 記載」「理学療法士、作業療法士の法律にマッサージが記載」「診療報酬点数表からマッサージが削除(消炎鎮痛等処置に包含)」と続く。この潮流は病院マッサージ師減少を招き、 更に1990年頃から予想外の展開をする。「金融系産業界はリラクゼーション産業のビジネスモデルを創作し実質的無免許マッサージを誕生させたこと」「厚生労働省の検討会ではマ ッサージや指圧を看護師も行う安楽確保の技術として取り上げたこと」が象徴的であり、産業界も医療行政も本来は法的には業務独占であるマッサージを一般的行為に解釈した。 法律や免許がなかった江戸時代に押し戻されそうだ。  さて、この嵐の状況下で船出する当外来であった。私は当外来の新設準備委員だったが「当方のマッサージは単なる安楽確保ではない」などと主張はするものの現実問題への行 動は伴わず頓挫しそうだった。しかし幸いにも緒方昭広先生が機能解剖に基づくfasciaリリースを、成島朋美先生と周防佐知江先生がオイルマッサージを行うことで明治時代から 続く本流を継承する形ができていた。問題はこのような技法を持たない私にあった。他にさしたる臨床経験も無い。だが無いことで逆にコンセプトの設定は自由になる。私は安直 ではあるが超高齢社会なので対象は高齢者、東西統合医療なので西洋のマッサージに対して東洋の手技でいくことにした。東洋と言っても按摩科目の術式では学生の実習と大差な い。そこでここは盲学校生徒時代に立ち返り恩師から課外活動で教わった経絡按摩や切経を丹念に再現してみた。最後は成島先生の助力で何とか形になった。  実際に当外来の患者は生活機能維持を目的とした高齢者が多く、20分全身手技を週1から月1の間隔で利用している。一時はコロナ禍により外来を休止したが再開後、患者から は「マッサージがないと全身が痛み出す」などと有効性を後押しする言葉を頂いた。ぜひエビデンスを示したい。今はお蔭様で順調にあん摩マッサージ指圧を提供できている。 p24 ◆教育の場としての東西医学統合医療センター◆ p25 鍼灸学専攻の教育と医療センターの関わり 学生にとって最高の学びの場 鍼灸学専攻 専攻長 殿山 希  筑波技術大学保健科学部は世界で唯一の視覚に障害のある人を対象とした国立の高等教育機関であり、保健学科鍼灸学専攻ははり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の三種 の国家試験受験資格を与えることができる日本で唯一の大学です。鍼灸学専攻の学生にとって大学の医療センターでの実習は、入学前からの大きな憧れの場であるようです。大学 入学の面接試験で志望の動機を尋ねると、例年、多くの受験生が東西統合医療センターでの臨床実習を通して東西医学に精通した施術者になりたいと答えます。  大学では、学生はまず東西医学の基礎(解剖学、生理学、病理学、衛生学、東洋医学概論、経絡経穴学など)を学び、次いで東西の臨床医学(医師が教える臨床医学、鍼灸師が 教える臨床評価学、東洋医学臨床論など)に学習を進めます。実技については、学生相互の体や教員の体を借りて練習を繰り返す基礎実習・応用実習を経て、3年生の2学期からは 教員の指導の下で地域の教育ボランティアの方々の体に施術をさせていただくようになります。その頃から同時に組まれているのが待望の医療センターでの臨床実習です。  医療センター鍼灸施術所では、学生の座学や実習を担当している鍼灸師教員がさまざまな手法で治療を実践しています。学生は診察から治療までのプロセスを教員とともに体験 し、理解します。そして治療後の患者様の身体の変化を実感します。現場では、研修生や大学院生とも交流があり、彼らの存在は学生自らの将来像を考える上でのモデルになるか もしれません。また、実習期間には医療部門の見学も組まれており、各科の専門医による診察室での指導、生理学検査室・放射線室での見学、他の医療スタッフとの連携をも肌で 学びます。鍼灸手技療法(あん摩マッサージ指圧)は、古くから人々の健康の増進、病気の予防と管理に貢献して来ました。海外では鍼灸は医師が行うという国も多いようですが、 日本では、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師という業務独占の国家資格があり、しかも業界では視覚に障害のある人と障害のない人が良好な関係で共生社会が実現して来 ました。全ては日本の高い質の鍼灸手技療法教育と視覚障害者教育の実績の賜物と考えています。1990年代に筑波技術短期大学が、2006年からは筑波技術大学が鍼灸学、手技療法 学を学術として与える高等教育の場として設立されました。日本の伝統ある良き教育を未来につないで行きたいと考えています。これからの時代はますます医療が高度化・先進化・ 専門化して行くことと思います。鍼灸手技療法にはエビデンスが、治療者には古典から現代医学までの幅広い知識・技術の鍛錬と人間力がさらに求められることでしょう。学生に とっては深い学びの場として、世界の医療者・研究者にとっては東西医学の拠点となるべく、まさにこの医療センター東棟・西棟は世界を翔ける東と西の医学の二翼 two wingsと してより大きく発展して行かなければならないと考えています。 p26 医療センターの理学療法学専攻の教育における役割 理学療法学専攻 専攻長 酒井 俊  平成六年(筑波技術短期大学時代)から現在に至るまで、視覚障害のある多数の学生が本学の理学療法学専攻で学び、理学療法士の資格を取得している。進路は様々であるが、 卒業生の多くは、医療機関における理学療法の担い手として各地域で活躍するようになった。視覚障害というハンディを負いながらも、彼らが活躍できるのはなぜか。彼らの自助 努力は言わずもがな、専攻教官のみならず医療センタースタッフによる教育の成果である。  理学療法士養成における医療センターの役割はどのようなものであろうか。募集活動における医療現場の紹介が本学を目指す学生の入学動機となることから始まり、専攻学生の 志は医療現場の見学により明確となり、現場教育である臨床実習により理学療法士としての準備が整うといった、一連の流れに関わっている。いずれの内容も、学生が一人前の理 学療法士として巣立つ過程に、多大な影響を与えていることが分かる。特に本年度はコロナウスルス感染症により学外実習が中止されたため、本医療センターでの実習は、現四年 生の技能習得および医療人としての社会勉強の場として大きな意味を持つことになるものと予想される。さらには、資格取得後における理学療法士の研修機関としての役割を果た している。以上記したごとく、医療センターが学生教育に重要な役割を担っていることはお分かり頂けると思う。  それでは、医療センターが今後も理学療法士養成における教育機関として中心的存在であるためには何が必要であろうか。私は、専攻における卒前教育のみならず資格取得後の 医療センターでの卒後研修が鍵になると考えている。卒後研修者は理学療法士としての技能を高められるとともに、研修者自身が専攻の卒前教育にも関与可能となる。また研修者 が増えれば、それにより医療センタースタッフには余裕が生まれ、それが学生に対する教育充実、研究活動の興隆へとつながり、ひいては医療センターの認知度を高めることにつ ながる。つまり、医療センターにおける理学療法士の養成は、長期的視点に立ち、卒前卒後教育を一体として整備していくことが必要であると、私自身は考えている。  以上、医療センターの学生教育における現状と教育機能を高めるための私見を交えて記した。本学における理学療法士養成において、医療センターが中心的役割を担っているこ とには論を俟たない。今後も理学療法における専門機関としての存在感を高めて頂きたい。また、今回は理学療法士のリカレント教育には触れなかったが、この分野でも医療センタ ーが中心的役割を果たすことを期待している。 p28 ◆ 卒後臨床教育 現役研修生の声 ◆ p29 リハビリテーション科における卒前・卒後臨床教育の取り組み 理学療法学専攻 講師 佐久間 亨  保健科学部理学療法学専攻では、視覚障害をもつ学生たちが理学療法士の免許取得および職業自立を果たすべく日々勉学に励んでいます。本専攻の臨床実習は、つくば市内の病 院を中心に全国各地の医療福祉機関のご協力を頂きながら実施しております。本学附属東西医学統合医療センターは、2011年にリハビリテーション科を開設し臨床実習の一部を学 内で行える体制を整えました。現在では4年生の総合臨床実習に加えて整形外科疾患理学療法学実習や神経筋疾患理学療法学実習などの3年生の専門科目にもリハビリテーション 科外来での体験型授業を導入しています。また授業以外の時間も見学を希望する学生は1年生からでも随時受け入れています。このような学内臨床教育体制の整備は、従来の座学 を中心とした積み上げ型の学習から早期の臨床体験を通して学生自らが課題を設定し解決する問題解決型学習への転換の契機となりました。  本学が学内臨床教育を導入した背景の一つとして、近年、入学者の眼疾患の種類や障害度が多岐にわたり、外部施設の臨床実習でリハビリ場面におけるリスク管理に学生が苦慮 するケースが増えてきたことがあります。視覚障害を有する学生が臨床において安全な理学療法を実施するためには、理学療法技術と視覚障害の情報補償技術を合わせて修得して おく必要があります。例えば、右片麻痺患者の歩行練習において理学療法士は患者がバランスを崩しやすい麻痺側(右側)に立って動きをサポートしますが、左視野障害のある学 生の場合、患者の右側に立つのが必ずしも安全とは限らず、後方に立つことで患者全体の姿を視野にいれ、安全に歩行練習をサポート出来る場合もあります。我々の学内臨床教育 では単に医学的な教育をするのではなく、学生と教員が協働しながら視覚障害の補償手段を模索し改善するよう取り組んでいます。  東西医学統合医療センターは、リハビリテーションを含む西洋医学と鍼灸・あん摩・マッサージや漢方薬に代表される東洋医学とを組み合わせて実践する施設です。リハビリテ ーション医療では疾病のみにフォーカスを当てず、人それぞれの生活の質の向上を目指します。このようなリハビリテーションの医療観は、「未病」や「健康生成」を志向する鍼灸・ あん摩・マッサージと高い親和性があります。リハビリテーション科ではこのような医療センターの特色を活かして、理学療法学専攻の卒業生を対象とした2年間の卒後教育プロ グラムを2016年度から開始しました。研修期間中には週5日の臨床業務、週1回の理学療法カンファレンスと勉強会、月1回のリハビリ・鍼灸合同カンファレンスを行います。ま た筑波大学附属病院リハビリテーション科のご協力で月2回の研修を行います。これまで3名が卒後教育プログラムを修了し医療機関や行政機関への就職を果たしています。 p30 鍼灸師に対する医療施設内での卒後臨床教育 東西医学統合医療センター 助教 成島 朋美  東西医学統合医療センター鍼灸施術部門では,東洋医学と西洋医学を統合したより優れた医療を提供するとともに,それを担う高い見識を有する専門家を育成することを目的に開設 当初より鍼灸師を対象とした卒後臨床研修を実施している。本邦ではおよそ113施設が卒後臨床教育を実施しているが,そのうち医療施設はわずか10施設程度であることから,鍼灸 師が医療施設で卒後臨床教育を受ける機会は制限されており,当センターの卒後臨床研修は希少かつ重要なものであると考える。また,当センターの研修制度は“国民のための鍼灸医療 推進機構(AcuPOPJ)”の定める「鍼灸師卒後臨床研修施設」に認定されるなど,一定の評価を受けている。また,当センターが附属している筑波技術大学は視覚・聴覚障害者を対象 に教育を行っている国内唯一の国立大学である。当センターは医療施設として視覚障害を有する鍼灸師を受け入れる環境が整備されている貴重な施設であり,その役割は大きい。  1992年の開設以来,2019年度までに受け入れた198名の研修生の多くは臨床技術への不安を感じ,臨床力向上を目標とした養成校卒業間もない者たちであるが,中には医師や留学 生なども研修に参加し,研修経験を活かし各方面で活躍している。また,視覚障害鍼灸師の育成は,主に視覚特別支援学校で行われており,教鞭をとる教員には自身に視覚障害を有する 者も多い。近年は,教員が臨床技術の研鑽を求めて当センターの研修を利用する例もある。  現在,研修制度は,レジデントコースとトレーニングコースの2コースに大別されている。レジデントコースには外来参加日数や研修内容に一定の規定があり,2年間集中した研修を 行うものである。トレーニングコースは視覚障害鍼灸師のために設置されており,他施設での勤務や健康状態の理由等により長期や連日の研修が困難なものを受け入れている。レジ デントコースでは入所後,約2か月間の導入プログラムにて鍼灸施術に関する知識・技術の復習に加え医療センター内の各部門を見学し,多職種連携の意識を高める。その後,実際の患 者への施術を通じて鍼灸臨床技術を習得し,患者を共有することによる多職種連携の実際を体験する。研修修了後の進路は,各地域での鍼灸院勤務や開業,医療機関への就職,海外勤務, 進学など多岐にわたる。  当センターの研修生は多いもので2年間に延べ1,000人以上の施術を行っている。研修生がこれだけの数の施術を担当することが出来るのも地域医療における当センターの信頼 を築いてくださった初代センター教員津嘉山洋先生・山下仁先生はじめ施術部門で臨床と指導にあたってくださった先生方の並々ならぬご尽力の賜物と深く感謝している。この歴 史ある研修制度の一層の充実と,医療施設における鍼灸師の役割の発信を視覚障害鍼灸師とともに行っていくことを今後の目標としていきたい。 p32 ◆ 卒後臨床教育 現役生の声 ◆ p33 研修を経験して 東西医学統合医療センター 技術補佐員 森田 翼  私は,筑波技術大学理学療法学専攻を卒業後,当医療センターで理学療法士として研修を始めて2年目になります.当医療センターでの研修を通して,臨床経験や研究といった, 今後の人生において貴重な経験を積んでいます.  現在、当医療センターでは週5日勤務しており,日々先生方のご指導を受けながら,外来患者さんに対して理学療法を実施しています.臨床の時間以外では,腰部脊柱管狭窄症 患者に対する臨床研究の研究計画を進めています.この研究計画に関しても,先生方のこれまで培われた知識や経験をもとにご指導を受けており,研究開始の段階まで進めること ができています.  私自身まだまだ未熟です.しかし,当医療センターで働く中で,臨床のプロでありながら,研究のプロでもある先生方のご指導を受けることで,他の医療施設では得ることので きない,人生において貴重な経験を積むことができていると実感しています. p34 鍼灸・マッサージ臨床研修 トレーニングコース研修生 菊地 勇史  臨床研修に参加して3年目になる菊地勇史(全盲)です。私は臨床での十分な知識技術向上を目指し研修を志望しました。  研修では治療はもちろん、病態把握を重視し治療部位を選定していきますが、その際指導教員の先生から直接ご指導いただく事で自分が見落としていた所見や考えていなかった 可能性を指摘され日々精進しています。  また研修の醍醐味として医師、理学療法士の先生方とカンファレンスを通じて治療方針が検討できる上、理学療法士の先生とは患者様を共有し個別に治療内容を検討する事もで き、非常に恵まれた環境であると感じています。さらに医療センターではX線やMRIに触れる機会がありますが、その際は指導教員をはじめ、スタッフの方々が画像所見を説明し てくれますので全盲でも晴眼者と変わらない情報を持って臨床にあたる事ができます。その他、臨床を通して個々の視覚障害の特性に合わせた治療スタイルを模索できる事も重要 な点だと感じて居ます。  私も今までつけた実力を礎に、まだまだ研鑽を積んでいこうと考えています。 p36 ◆ スタッフ一覧 ◆ ●診療部門 鮎澤 聡 センター/鍼灸 教授/センター長(脳神経外科) 横田 千津子 保健管セ 教授(代謝内分泌内科) 平山 暁 センター 教授 (内科/腎臓内科/漢方内科) 木下 裕光 理学 教授(整形外科) 酒井 俊 理学 教授(循環器内科) 佐々木 恵美 理学 准教授(精神科) 白岩 伸子 鍼灸 准教授 (脳神経内科) 石塚 和重 理学 教授 薄葉 葉子 理学 教授 三浦 美佐 理学 准教授 井口 正樹 理学 講師 中村 直子 理学 助教 松井 康 理学 助教 木村 健作 理学 特任研究員 佐久間 亨 センター 講師 杉田 洋介 センター 助手 根本 由紀子 センター 看護師 武笠 瑞枝 センター 看護師 黒木 浩美(非) センター 看護師 冨岡 幸恵 センター 薬剤師 木村 里美 センター 臨床検査技師 稲葉 由美子(非) センター 臨床検査技師 今泉 里美(非) センター 臨床検査技師 水木 知恵 センター 診療放射線技師 伊東 諄了 センター 契約職員(研修) 森田 翼 センター 契約職員(研修) ●施術部門 野口 栄太郎 鍼灸 教授 藤井 亮輔 鍼灸 教授 殿山 希 鍼灸 教授 石崎 直人 鍼灸 教授 近藤 宏 鍼灸 講師 福島 正也 鍼灸 講師 佐々木 健 鍼灸 准教授 笹岡 知子 鍼灸 助教 周防佐知江 鍼灸 特任研究員 櫻庭 陽 センター 准教授 成島 朋美 センター 助教 根本 美咲 センター 補助員 堀田 直哉 センター 補助員 佐藤 美和 センター 補助員 吉川 一樹 センター 補助員 石松 菜摘 センター 研修生 レジデント 佐藤 周子 センター 研修生 レジデント 白石 智美 センター 研修生 レジデント 砂山 顕大 センター 研修生 レジデント 岩谷 紘大 センター 研修生 レジデント 落合 恭平 センター 研修生 レジデント 菊池 至 センター 研修生 レジデント 村山 圭祐 センター 研修生 レジデント 菊地 勇史 センター 研修生 トレーニング 遠藤あかね センター 研修生 トレーニング 佐藤 良太 センター 研修生 トレーニング 松枝 宏幸 センター 研修生 トレーニング 星野 直志 鍼灸 大学院 松田 えりか 鍼灸 大学院 渡邊 健 鍼灸 大学院 Noraini Azlin 鍼灸 大学院 Damdintseren Nyamkhuu 鍼灸 大学院 沢田 和也 鍼灸 学部(有資格) ●事務 高野 七重 係長 沖山富美子 飯島 悦子 総合受付 新谷真奈美 総合受付 松原 亜矢 総合受付 亀山由美子 リハ受付 大橋 典子 鍼灸受付 ※2019年4月 p40 ◆ 活動報告 ◆ p41 2019.4.3 年度始式  鮎澤 聡教授 センター長着任 新スタッフ 循環器内科 酒井 俊教授 リハビリ部門 森田 翼 鍼灸施術部門研修生 岩谷 紘大 落合 恭平 菊池 至 児玉 大地 村山 圭祐 佐藤 良太 2019.08.03 公開講座 脳もカラダも鍛える東洋医学と健康運動 2019.08.04 公開講座 治療しても大丈夫?初学者のための1DAY 鍼灸セミナー 2019.08.18 研修生説明会 2019.08.21 第1回COMPASS開催 2019.08.31 公開講座 治療しても大丈夫?初学者のための1DAY 鍼灸セミナー 2019.09.01 公開講座 脳もカラダも鍛える東洋医学と健康運動 2019.09.28~10.08 鍼マッサージブース.第74回国民体育大会 いきいき茨城ゆめ国体2019メイン会場(ひたちなか市) 2019.09.29~10.02 鍼マッサージブース.第74回国民体育大会 いきいき茨城ゆめ国体2019 バドミントン会場(石岡市) 2019.10.27 前期研修生選考会 2019.11.04 第1回研修生同窓会 2019.11.26 国際鍼灸専門学校受託実習(3日間) 2019.12.12 第2回COMPASS開催 2019.12.25 大掃除 2020.02.09 第36回守谷ハーフマラソンケアブース 2020.02.12 防災訓練 2020.02.18 医療安全講習会「診療用放射線の安全利用」 2020.03.01 後期研修生選考会 2020.03.04 医療安全講習会(Web講習) 2020.03.11 研修生症例発表会 2020.03.25 研修生退所式 p42 "COMPASS" 令和元年度から、"COMPASS"という医療センター全部門の合同勉強会を企画しました。 これは、”Conference on Medicine, Physiotherapy, and Acupuncture. Skills and Studies” の頭文字をとったものです。これには、我々自身が羅針盤になり、新しい文化を皆で創っ て行こう、という意味が込められています。   "COMPASS" 第1回 2019.8.21 酒井  俊 先生 「筑波技術大学における循環器病診療への展開」 杉田 洋介 先生 「心臓リハビリテーション概論」    第2回 2019.12.12 佐久間 亨 先生 「スリングエクササイズセラピーの基礎と応用」 p43 公開講座の紹介 東西医学統合医療センター 准教授 櫻庭 陽  当センターの社会貢献活動の一つに、公開講座があります。公開講座の大きな目的は、本学及び当センターを多くの方々に知っていただくことです。昨年(令和元年)度は、地 域住民、医師、他の鍼灸あん摩マッサージ指圧養成校の学生と資格を取得して間もない有資格者(初学者)を対象に三つの講座を実施しました。  地域住民を対象にした講座では、アンチエイジングを主題にして、東洋医学の治未病やツボを用いたセルフケア、さらには健康運動と、生活の中で活用できる内容としました。 参加者は、センターを利用されていない方々が多く、その後の来所につながりました。  医師を対象にした講座は鍼灸学専攻に協力する形で行いました。鍼灸やあん摩マッサージ指圧に対する理解を深めていただくことを主眼におき、エビデンスや歴史とともに鍼の 打ち方や灸のすえ方等の実習も盛り込みました。遠くは福岡から、リハビリテーション科や産婦人科等の開業医や勤務医の方々に参加いただきました。終了後、研修生の外部研修 先となったり、他の勉強会に参加いただいたりと、よい関係を構築しています。  最後の初学者では、頚肩部痛に対する鍼治療と題して、問診や検査のポイントや実際の施術方法に関する講義と実技を紹介しました。参加者の中には、次年度の研修生として入 所した方もいました。  以上のように、公開講座は臨床や研究以外でも地域や医療に貢献するとともに患者や研修生の獲得、他の医療施設との関係を構築するなどの重要な役割を担っています。 p44 第1回筑波技術大学研修生同窓会 東西医学統合医療センター 助教 成島 朋美  2019年11月4日(月・祝)に第1回筑波技術大学研修生同窓会を行いました。メールでの情報拡散に頼る形にも関わらず、遠方からも多くの研修生が駆けつけてくださいました。 教員は鮎澤聡先生(現センター長)、西條一止先生、坂井友実先生、緒方昭広先生、七川照男先生、池宗佐知子先生、野口栄太郎先生、津嘉山洋先生、佐々木健先生、石崎直人先生 にご参加頂きました。また、現センター教員は(櫻庭陽、成島朋美)は元研修生です。 日程 13時~ スキルアップセミナー 頭痛講座:鮎澤 聡 脳神経外科医師 現東西医学統合医療センター長 頭痛症例報告:吉川 一樹 補助員(第24期研修生) 14時~ 治療体験会、施設見学 15時~ 懇親会  吉川先生の症例報告は全日本鍼灸学会雑誌に掲載されました(吉川一樹,鮎澤聡,福島正也,櫻庭陽,石山すみれ:片頭痛に対する後頭部C2末梢神経野鍼通電療法‐天候の変化による 発作の誘発が軽減された一症例‐.全日本鍼灸学会雑誌,69(3):204-209,2019.https://doi.org/10.3777/jjsam.69.204)。 p45 つくば鍼灸研究会 つくば鍼灸研究会 世話人 七川 照男 櫻庭 陽  つくば鍼灸研究会についてご案内します。  日頃より「つくば鍼灸研究会」の活動に御理解、御協力をいただきありがとうございます。  つくば鍼灸研究会は、昭和57年頃より茨城の鍼灸師有志が筑波大学医学部図書館で不定期に開催していた勉強会から、昭和59年に鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の誰でもが参 加できる研究会として発足しました。 現在の会員数は20名で、最近は単回の参加者や学生の方々が多数参加され、活気に満ちています。 開催日:毎月第4火曜日(19:00~20:30)、年間10回(1と8月は休み) 場所:東西医学統合医療センター東棟2階 臨床講義室(変更することがあります) 内容:講師には日々の臨床に役立つ内容をわかりやすくお話しいただくようお願いしています。必要に応じて実技も交えてお話いただいています。 ※内容や日程が変更す る場合があります。 参加について:資格の種類や有無は問いません。筑波技術大学関係者は無料です。事前に連絡してください。 p46 令和元年度 つくば鍼灸研究会 4月23日(火) スポーツ選手の身体評価と施術の指針 吉田成仁 帝京平成大学 准教授 鍼灸あマ指師 5月28日(火) 21世紀社会に期待される鍼灸・手技:自然鍼灸学 西條一止 元 筑波技術大学 学長 鍼灸あマ指師 6月25日(火) 鍼灸師のための基礎消化器科学 小川光一 筑波大学消化器外科 講師 医師 7月23日(火) 筋・神経に対する鍼通電療法 藤井亮輔 筑波技術大学 教授 鍼灸あマ指師 9月24日(火) 臨床に役立つ姿勢・運動と腸の働き 渡邊 昌宏 つくば国際大学 准教授 理学療法士 10月15日(火) ※第3週 鍼灸師の学びなおし 膝関節の診かたと鍼治療 野口栄太郎 筑波技術大学 教授 鍼灸あマ指師 11月26日(火) 私が伝えたい鍼灸 形井秀一 洞峰パーク鍼灸院 院長 鍼灸あマ指師 12月17日(火)※第3週 鍼灸師が知っておきたい薬の知識 百 賢二 昭和大学薬学部 准教授 薬剤師 2月25日(火) 頭痛の基礎と新しい鍼治療 鮎澤 聡 筑波技術大学 教授 医師 3月24日(火) コロナのため中止 p48 令和元 (2019) 年度国立大学法人筑波技術大学 保健科学部附属東西医学統合医療センター発表会 資料集 令和2年3月11日 春日キャンパス 講堂 p49 梨状筋症候群と外側大腿皮神経障害の併発例に鍼通電療法が著効した一症例 研修生1年目 岩谷 紘大 【目的】梨状筋症候群及び外側大腿皮神経障害の併発例に対する鍼治療の報告は無い。今回、併発例とみられる症例に対し鍼通電療法を行い著効がみられた為報告する。 【症例】52歳 女性。主訴は左臀部痛、左大腿後面~下腿外側の痺れ、左大腿外側の痺れ。 【現病歴】X -10年 長時間の車通勤を機に左臀部痛出現。X - 2年 座位の増加により臀部痛増悪、左大腿後面~下腿外側の痺れ出現。1時間以上の座位困難。臀部痛の 忌避動作として足組みを始めるようになり左大腿外側に痺れ出現。接骨院に通い症状軽減。X年8月 片道5時間の運転後、症状増悪。 30分以上の座位が困難となり、 友人の紹介で当センター受診。 【所見】左のKボンネットテスト、腓骨神経、外側大腿皮神経チネルが陽性。神経根症の誘発テストは両側共に陰性だった。股関節ROMは屈曲110°/90°内旋45°/15°と 左に制限がみられた。その他可動域に制限は無い。触診では左の梨状筋、上双子筋、下双子筋、内閉鎖筋に筋緊張と圧痛がみられた。 【推定病態】左臀部痛、左大腿後面~下腿外側の痺れを梨状筋症候群、左大腿外側の痺れをLFCN障害。 【評価】Visual Analog Scale(VAS)、股関節内旋可動域を評価した。 【施術】1~4診目脾関-スカルパ三角 縫工筋内側縁、梨状筋に1Hz 15分で鍼通電。5診目以降は上双子筋、下双子筋、内閉鎖筋への単刺を追加。 【結果】2診目でVASの大幅な軽減、股関節内旋可動域の改善がみられ著効が得られた。3診目に左大腿後面~下腿外側、左大腿外側の痺れが消失。7診目に左臀部痛が 消失した。 【考察】臀部痛の忌避行動である足組みがLFCN障害に関与したと推測した。鍼通電を行い梨状筋の緊張が緩和した事で坐骨神経の絞扼部の除圧。LFCNの神経血流の改 善が起きたと考えられる。左臀部痛が軽減され、足組みを行わなくなった事がLFCN障害の再発予防につながったと考えられた。 p51 帯状疱疹後神経痛患者に対する鍼治療の一症例 研修生1年目 落合 恭平 【目的】帯状疱疹発症から6年が経過し、神経痛が残存した帯状疱疹後神経痛(以下、PHN)患者に対して鍼治療を行い、症状の軽減と疼痛範囲の狭小がみられたので報告 する。 【症例】70歳代男性。主訴は耳介後方の痛み。 【現病歴】X-6年、左乳様突起後方、髪の生え際に発疹ができ皮膚科にて帯状疱疹と診断された。点滴による抗ウイルス薬の投与、内服薬・軟膏の処方を受けたが、神経痛が 残存した。X-3年、6か月以上ブロック注射を行ったが効果が認められなかった。X年4月、誘因なく症状が増悪したため、知人・家族の紹介により、X年7月から当センタ ーにて鍼治療を開始した。 【既往歴】糖尿病 【服薬】メトホルミン塩酸塩錠250mg、トラゼンタ錠5mg 【所見】中枢性障害を疑う所見は認められない。触覚検査において乳様突起後方部の健側10とし、患側に15の触覚過敏が認められた。また、小後頭神経領域の瘢痕が認められた。 【治療及び評価】小後頭神経領域のPHNと考え、疼痛部への高頻度鍼通電を行った。 毎治療前の痛みの程度(ピーク時を10としたNRS)と疼痛範囲、触覚過敏の程度(健側を10とした患側)を評価した。【経過】痛み及び触覚過敏は8診目以降から徐々に減少し、痛みにおいては12診目に は痛みが上がったものの、患者様からは痛みは落ち着いていることを問診時に聴取した。触覚過敏では14診目には左右差がなくなった。疼痛範囲では初診時、耳介後方から下 顎角周囲にあった痛みが経過を追うごとに範囲が狭くなり、14診目には髪の生え際まで範囲の狭小が認められた。 【考察】小後頭神経領域のPHNに対して疼痛部への高頻度鍼通電治療を行い、痛みへは下行性疼痛抑制が、触覚過敏へは脊髄分節性の抑制機構が関与し閾値の上昇が起こり、 痛み及び触覚過敏の軽減と疼痛範囲の狭小が認められたと考える。 【結語】発症から6年が経過したPHN患者に対し高頻度鍼通電治療を行い、痛み及び触覚過敏の軽減と疼痛範囲の狭小が認められた。 p53 Ramsay Hunt症候群に対する鍼治療の一症例 研修生1年目 菊池 至 【目的】Ramsay Hunt症候群の患者へ発症4ヵ月経過後より鍼治療を開始し、改善がみられた症例について報告する。 【症例】80代男性。主訴:右顔面麻痺。現病歴:X年1月30日に右顔面部の動かしにくさを感じて2月4日総合病院耳鼻科受診し、右Ramsay Hunt症候群と診断された。 同月7日から15日まで入院した。発症2ヵ月にて麻痺スコア柳原法(40点法)8点、3ヵ月8点と改善がみられず、5月31日当センター脳神経内科受診。6月4日同科の依 頼により鍼治療開始となった。所見:麻痺スコア12点、 FaCE Scale(Facial Clinimetric Evaluation Scale)37点、ENoG値は8.7%。 【治療・経過】麻痺側をホットパックで10分間温めた後、表情筋を中心に前頭筋、眼輪筋、側頭筋、頬骨筋、咬筋、口輪筋、オトガイ筋へ40mm×16号鍼、顔面神経枝近傍 (下関、聴会)へ40㎜×18号鍼、顔面神経管近傍へ60mm×20号鍼で置鍼15分間行った。鍼治療1ヵ月6診目にて麻痺スコア16点、FaCE Scale 40点、介入3ヵ月22 診目にて麻痺スコア20点、FaCE Scale 54点と麻痺は徐々軽快し、QOLも向上した。鍼治療6ヵ月38診目には麻痺スコア32点、FaCE Scale 66点、42診目には麻痺スコ ア40点と改善がみられた。 【考察・結語】Ramsay Hunt症候群の主症状である末梢性顔面神経麻痺は、早期に抗ウイルス薬およびステロイドホルモンを受けた場合でも治癒率は30%程度であり、早 期での治療開始が重要であるとされている。4ヵ月経過後での鍼治療開始から麻痺の改善やQOLの向上がみられ、後遺症も軽度となった。末梢性顔面神経麻痺に対し、治癒 率の低いRamsay Hunt症候群についても鍼治療を検討する価値があると考える。 キーワード:末梢性顔面神経麻痺、Hunt症候群、柳原法(40点法)、FaCE Scale、QOL p55 Painful Moving Toes Syndromeに対する後頭部C2末梢神経野鍼通電療法の一症例 研修生1年目 児玉 大地 【目的】Painful Moving Toes Syndrome(以下PMTS)の症状に鍼施術を行った報告はない。そこで薬物療法で著効が得られなかった症例に対し、後頭部C2末梢野神経鍼通 電療法(以下、C2)を行い、症状の緩和がみられた症例を報告する。 【症例】60代女性。主訴は右第2~5足趾の振戦と疼痛。 【現病歴】X-5年頃から誘因なく症状が出現。整形外科や脳神経外科でMRI検査を受けるも異常なく投薬で経過観察。その後当センター脳神経外科受診後鍼施術を行ってい たが、鍼施術中止。X-3年PMTSの疑い。当センターにて24時間心電図とODテストで自律神経機能障害を指摘される。灸施術を開始するが症状増悪が見られたため中止。 X-1年国立精神神経医療研究センターの神経内科にてPMTSと診断される。X年6月当センターで鍼施術を再開。 【服薬】サインバルタ20㎎、デパス0,5㎎、ビシフロール0,125㎎、リボトリール0,5mg 【身体所見】ATR、PTRが亢進。振戦と疼痛を訴える足趾の冷えが確認された。 【評価】施術直前直後の疼痛Visual Analogue Scale(以下VAS)、通電時間20分の中でC2開始から振戦が消失するまでの時間、C2終了から振戦の消失していた時間を評価と した。 【治療・経過】知久ら(2016)の報告に準じ、C2を開始。4診目以降から鍼通電のエリアを2極から4極に増やした。施術直前直後の疼痛VASは8診目以外の全てで低下が 見られた。C2を行なっている20分間の途中で8診目は振戦の減弱が見られ、それ以外は振戦の消失が見られた。振戦の施術後の症状消失は初診、5診時では10分。6診、 9診時では1時間。7診時では2時間。2診、3診時では4時間の消失が継続していた。 【考察および結語】C2によりPain Matrixに対して抑制性に働き疼痛や振戦の減弱、または消失が見られた。服薬で疼痛と振戦に著効が見られなかった症例に対し、一時的 に症状の緩和が見られた。 キーワード:PLMT、C2、Pain Matrix、鍼施術 p57 腰殿部痛および下肢の痛みとしびれに対して得気による鍼治療が奏功した一症例 研修生1年目 村山 圭祐 【目的】激しい腰殿部痛と下肢症状に対し、過去に効果を経験した得気を伴う鍼治療を行い症状が奏功した症例を報告する。 【症例】64歳男性。主訴は左腰殿部痛と左下肢の痛みとしびれ。 【現病歴】X年4月に薪割りで左腰部から下肢の激痛を発症。軽快傾向だったが、著しいADL制限が残存。6月に当センターでプレガバリンを服用したが不変。7月から鍼 治療を開始。症状は、腰殿部がズンとした鈍痛、下肢が圧迫されるような痛みとしびれ。安静および夜間痛があり、間欠性跛行がみられ、仕事もできない。ロキソプロフェンナ トリウム水和物およびプレがバリンを継続服用中。 【所見】左L3からS1領域にヒリヒリとした異常感覚。患側SLRテストは、30°で陽性。MRI検査ではL2/3からL5/S1にかけて椎間板ヘルニア像、L3/4に脊柱管の狭窄 像。 【病態と治療方針】病態を腰部に起因する坐骨神経症状と推定。過去に有効だった得気を伴う雀啄刺針で治療を実施。 【評価】発症時の痛みを10としてNRSによって治療前後に聴取した。 【治療】初診は腎兪、大腸兪、承扶、殷門、委中、承山、飛揚、ふ陽、崑崙に寸6-2番鍼で浅層への雀啄術によって得気を得た後、置鍼をした。腎兪、大腸兪は足趾まで抜け ていくような心地よい得気が得られた。2診目に低周波鍼通電を追加したが、患者の希望により中止し、初診の治療に戻した。 【経過】初診の治療直後より改善が見られ、5診ではNRSが0になって仕事に復帰した。 【考察】過去の得気による鍼治療と同様に、今回も効果が得られた。症状は同一経絡上にあり、得気がその経絡上で感じられて改善に至ったことはとても興味深く、経絡が鍼 治療効果に関与することを示唆する症例であった。得気と鎮痛メカニズムや血流増加反応の関係を述べている報告は少なく、さらなる研究が必要である。今後、経絡や得気を 用いた症例を集積したいと思う。 【結語】経絡上の得気を伴う刺鍼で強い腰殿部痛と下肢症状が改善した。 p59 外傷性骨盤骨折後の仙骨部から肛門周囲の痺れおよび便漏れに対する鍼治療の一症例 研修生2年目 石松 菜摘 【緒言】外傷性骨盤骨折後,仙骨から肛門周囲の痺れおよび便漏れが出現した患者に対し,SNM療法(仙骨神経刺激療法)を応用した低周波鍼通電療法を行い、症状の改善 がみられた一症例を報告する。 【症例】60歳男性。主訴は仙骨部から肛門周囲の痺れ,便漏れ。 【現病歴】X-1年5月,交通事故により骨盤を骨折。術後10日よりXクリニックにて投薬と運動療法を行うが仙骨部から肛門周囲の痺れと便漏れが残存。X年4月、当セン ター来所し鍼治療を開始した。 【所見】 身長163cm,体重73kg。痺れの部位は仙骨から肛門周囲の痺れ,左側S3~5の触覚鈍麻。便失禁の状態は便意を催した際,直ぐにトイレに行かないと固形便の便 漏れがみられていた。 【治療・経過】左右第2~4後仙骨孔部(次りょう・中りょう・下りょう穴),会陽に斜刺にて40mm程度刺入し会陰部に得気を得た後,低周波鍼通電療法を1~3診は1HZ15分,4~7診 は20分,8診以降は50HZ間欠波20分。痺れの評価は鍼治療前にVASの聴取をした。便失禁の程度はNRSを1か月毎に聴取した。初診時と2か月後には便失禁QOL質問 票(FIQLS)の記入をした。初診時の痺れのVAS69mmが9診目では消失した。便漏れの程度は初診時NRS8が2か月後はNRS2まで軽減し、FIQLSでも改善がみられた。 【考察・結語】本症例では便意は感じるがトイレに行くまで我慢できずに漏れてしまうことがあるということから切迫性便失禁と推定した。便を我慢できないのは外肛門括約 筋の運動に障害が起きていたと考えられる。陰部神経はS2~S4の前枝が吻合しできるため、第2~4後仙骨孔を鍼刺激することで仙骨神経の前枝、後枝ともに刺激し運動・ 知覚・自律神経への影響を与えたと考える。本症例では全身麻酔下で実施されるSNM療法と比較し侵襲度が小さい鍼通電療法は安全で簡便な治療法の1つとなりうる可能 性が示唆された。 p61 陳旧性Bell麻痺に鍼治療が奏功した一症例 研修生2年目 佐藤 周子 【目的】Bell麻痺の約3割に後遺症が生じるが、顔面神経の再生が完了する10カ月目以降(後遺症固定期)の鍼治療介入について検討した報告は少ない。今回、Bell麻痺発 症後7年間表情筋のこわばりに悩んでいた患者に対し鍼治療を行い奏功したので報告する。 【症例】48歳女性。主訴は左顔面部のこわばり。 【現病歴】X-7年4月、左Bell麻痺を発症し7日間入院。点滴によるステロイド治療を受療。運動麻痺残存し左顔面部のこわばりを自覚するも一定以上回復せず、約1年で リハビリテーションと服薬治療終了。セルフマッサージ継続。X-1年、近医耳鼻科で服薬治療を行うも著変なし。X年8月、当センター脳神経内科を受診し鍼治療開始。 【所見】鍼灸初診時NET:眼輪筋13.0mA、鼻唇溝10.0mA、ENoG値:眼輪筋13.4%、鼻唇溝19.6%、強閉口時左眼輪筋の病的共同運動に軽度出現。麻痺スコア柳原法(40点 法)24点。 【治療・経過】循環改善を目的に表情筋および顔面神経走行部に40mm16号鍼を用い置鍼、3診目から眼輪筋に1Hz15分の鍼通電療法を追加。7診(約2ケ月)で40点法 スコア30点となり、治療間隔を2週に1回とし、16診(約6ケ月)で36点に回復した。病的共同運動等の後遺症の増悪なく、自覚的こわばり感の緩和が見られた。 【考察】本症例は発症後7年が経過し不全麻痺が長期間残存していたが、置鍼及び低周波鍼通電により表情筋部の循環改善が促進したことが麻痺の緩和につながった可能性 が考えられた。また病的共同運動の増悪が無かったことは、眼輪筋部への鍼通電と口輪筋等その他の表情筋への置鍼が表情筋の分離運動を促進した可能性が考えられた。 【結語】発症後7年が経過したBell麻痺に対し表情筋への低周波鍼通電療法を6ケ月間行った結果、40点法スコア36点とほぼ完治と言える結果が得られた。 p63 抗ヒスタミン薬抵抗性の慢性蕁麻疹が鍼治療で改善した一症例 研修生2年目 白石 智美 【目的】薬物治療抵抗性の慢性蕁麻疹が鍼治療で改善した症例を報告する。 【症例】70代女性。主訴は全身のかゆみ。 【現病歴】X-5年、皮疹とかゆみが全身に出現した。X-4年、慢性蕁麻疹と診断され抗ヒスタミン薬の内服を開始した。 X年2月、症状増悪のため内服薬を追加・増量した が十分な改善がなかった。X年6月、鍼治療を開始した。 【所見】3mm大の赤い皮疹、掻破痕が全身に認められた。掻くとかゆみが増悪し膨疹が出た。水疱はなかった。中医学的所見として、舌質は暗淡紅、薄黄苔、歯痕・舌下静 脈怒張・お斑があり、脈は弦細で、胸脇苦満が認められた。 【評価】慢性蕁麻疹のかゆみの程度はVisual Analogue Scale (VAS)、疾患活動性はUrticaria Activity Score 7 (UAS7)、QOLはChronic Urticaria Quality of Life Questionnaire (CU-Q2oL) で評価した。 【治療・経過】初診時VAS:91mm、UAS7:42点、CU-Q2oL:35.8であった。気滞で衛気虚となり風邪が鬱滞したと考え、去風と疏肝理気を目的に、風池、曲池、血海、 足三里、三陰交、太衝等に置鍼した(40mm、16号)。概ね週1回の治療を行い、症状は一時軽減したが増悪に転じたため、5診から肩?、治痒を追加、舌苔黄膩から中焦の 湿熱が皮膚に鬱滞したと考え、7診から健脾と化湿を目的に、太白、合谷、豊隆を追加した。7診以降、著効がみられ(16診時VAS:0mm、UAS7:2点、CU-Q2oL:7.6)、 内服薬を減薬した。 【考察】本症例の症状は風邪の特徴があったが、追加した健脾と化湿の治療で著効がみられた。全身的な虚証は脾虚で痰熱から内風が生じた病態であり、標本同治が奏功した と考える。 【結語】薬物治療抵抗性の慢性蕁麻疹患者に中医学的観点から鍼治療を行い、症状・QOLの改善がみられた。 キーワード:慢性蕁麻疹 鍼治療 抗ヒスタミン薬 中医学 p65 胃痛を中心とした自律神経症状に対する灸施術の一症例 研修生2年目 砂山 顕大 【目的】胃痛を中心に複数の自律神経症状を訴えていた患者に対し、灸を中心とした施術によって胃痛及び自律神経症状に改善がみられたため報告する。 【症例】40歳代女性。医療事務に勤務。主訴は胃痛。主訴以外の問題は不眠、下痢、吐き気、耳鳴り、めまい、頭痛、不安障害(強迫性障害)、生理痛、アトピー性皮膚炎 がみられた。 【現病歴】X-4年、医療事務の職場に転職した際に人間関係のストレスを感じ始め、同時に胃痛を発症。X年5月、外食をして強い胃痛を発症。漢方内科を希望して当センタ ーを受診。医師に勧められて鍼灸を受診した。 【所見】X-1年他院にて内視鏡検査、血液検査で器質的問題は確認できなかった。触診にて腹部全体に筋緊張及び圧痛を確認。特に心窩部、左下腹部に著名な圧痛が見られ た。 【推定病態と評価】推定病態は神経性の胃痛とした。胃痛の程度をNRS(Numerical Rating Scale)、自律神経症状をSSS-8(Somatic Symptom Scale?8)で評価した。 【治療・経過】初診時NRSが10・SSS-8が16であった。自律神経機能の調整を目的に1~9診は足から下腿の胃・脾経、腹部圧痛点に棒灸施術を10~15分行った。10診 時で症状の増悪が見られたため10診~14診は足三里、三陰交、解渓、腹部圧痛点にせんねん灸施術を各3行った。10診時以降更に効果がみられ13診時NRSが1、SSS-8 が2となった。初診時からセルフケアとして三陰交、足三里に円皮鍼(0.6㎜)を使用した。 【考察】胃痛により出現していた腹部筋緊張が温熱により緩和。自律神経症状のある患者に対し下腿及び腹部の温熱刺激を行った結果、自律神経系に作用し全身調整及び胃痛 改善に働きかけたと考えられる。 【結語】灸を中心とした施術によって、胃痛及び自律神経症状に改善がみられた。 p67 東西医学統合医療センター 令和元年度 業績 ◇著書 1) 加藤士郎(編). 西洋医学と東洋医学のW専門医が指南!臨床力をアップする漢方. 中山書店(東京), 2019. ISBN 978-4-521-74748-4.① 平山暁(分担). 腎臓疾患の漢方治療. p.105-16 2) 河野雅弘, 小澤俊彦, 大倉一郎(編). 抗酸化の科学 酸化ストレスのしくみ・評価法・予防医学への展開. 化学同人(京都), 2019. ISBN 978-4-7598-1420-0.① 平山暁(分担). 活性酸素およびフリーラジカル障害を抑制する医薬品. p.187-212.② 平山暁(分担). 活性酸素および活性窒素で引き起こされる病気. p.213-246. 3) 公益財団法人日本サッカー協会医学委員会(編). 松井康(共著). コーチとプレーヤーのためのサッカー医学テキスト 第2版. 金原出版(東京), 2019. ISBN 978-4-307-25164-8.① 松井康(分担). 視覚障がい者サッカー. p.300-3. 4) 高野山大学 編. 宗教と科学の対話-宇宙の摂理への想い その三. 企業開発センター(大阪, 東京), 2019.① 鮎澤聡(分担). 「祈り」は遺伝子を動かすか? p.32-55. ◇原著論文 1) 飯田藍, 鮎澤聡, 櫻庭陽. 冷えの改善を伴ったレストレスレッグス症候群の鍼灸治療の一症例. 全日本鍼灸学会雑誌. 69(3):210-216, 2019. 2) Iguchi M, Nakagawa R, Terasawa H. Sound design for auditory biofeedback and motor performance in participants with stroke: a pilot study. Top Stroke Rehabil. 26(6):418-4, 2019. 3) 石崎直人,鍋田智之,安野富美子,藤井亮輔,矢野忠. 日本における鍼灸治療利用者の特徴―全国横断調査データを利用した多変量解析―. 厚生の指標. 7:8-12,2019. 4) Kimura T, Tajiri K, Sato A, Sakai S, Wang Z, Yoshida T, Uede T, Hiroe M, Aonuma K, Ieda M, Imanaka-Yoshida K. Tenascin-C accelerates adverse ventricular remodeling after myocardial infarction by modulating macrophage polarization. Cardiovascular Research. 115:614-24, 2019. doi: 10.1093/cvr/cvy244. 5) 近藤宏, 藤井亮輔, 矢野忠, 福島正也. 企業内に開設された鍼灸あん摩マッサージ指圧施術所(いわゆるヘルスキーパールーム)数に関する調査. 日本東洋医学系物理療法学会雑誌. 44(2):49-55, 2019. 6) Kondo H, Fujii R, Yano T, Fukushima M. Survey of the management status of acupuncture and moxibustion and massage clinics in Japan: Differences by license type and the presence or absence of visual impairment. Japanese Acupuncture and Moxibustion. 15(1):13-22, 2019. 7) 櫻庭陽, 岡田富広, 荒尾顕司, 鵜澤洋, 森山朝正. 高校陸上競技選手の腰痛に対する鍼治療. 現代鍼灸学. 19(1):19-27, 2019. 8) 櫻庭陽, 近藤宏, 佐久間亨, 中村直子, 松井康, 野津将時郎, 福永克己, 渡邊昌宏, 木下裕光, 石塚和重. 車いすバスケットボール選手のメディカルサポートと鍼灸あん摩マッサージ指圧に関するアンケート調査. 日本障害者スポーツ学会誌. 27:30-5, 2019. 9) 佐藤美和, 福島正也. 起立性調節障害に対する鍼灸治療の1症例. 日本東洋医学系物理療法学会誌. 44(2):91-6, 2019. 10) 白岩伸子, 三浦美佐, 木村里美, 大越教夫. パーキンソン病患者の歩行障害に対する下肢陽圧免荷トレッドミルを用いたリハビリテーションの効果. 運動障害. 29:57-62, 2019. 11) Sugita Y, Ito K, Sakurai S, Sakai S, Kuno S. Epicardial adipose tissue is tightly associated with exercise intolerance in patients with type 2 diabetes mellitus with asymptomatic left ventricular structural and functional abnormalities. J Diabetes Complications. 34:107552, 2020. 12) Takahashi, T, Marushima A, Nagasaki Y, Hirayama A, Muroi A, Sandra P, Arnela M, Ishikawa E, Matsumura A. Novel neuroprotection using antioxidant nanoparticles in a mouse model of head trauma. J Trauma Acute Care Surg. May; 88(5):677-85, 2020. doi: 10.1097/TA.0000000000002617. 13) Tahara N, Sakai S (16番目) et.al, Sasayama S. Long-term treatment of pulmonary arterial hypertension with macitentan in Japanese patients. Current Medical Research and Opinion. 2020. doi: 10.1080/03007995.2020.1756234. 14) 野津将時郎, 近藤宏, 福永克己, 木下裕光, 石塚和重. 視覚障害を有する大学生の視覚障害者スポーツ参加状況及び意識に関する調査. 日本障がい者スポーツ学会誌. 27:43-47, 2019. 15) ノライニ・アズリン, 成島朋美, 野口栄太郎. 足底へのマッサージが生体に及ぼす影響.日本東洋医学系物理療法学会誌. 44(2):63-71, 2019. 16) 平山暁, 富田勉, 横田廣夫, 笠巻祐二, 松﨑靖司, 青柳一正. ライブイメージングによる桃核承気湯、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散の微小循環動態への特性評価. 日本東洋医学雑誌. 71(1):8-17, 2020. 17) 福島正也, 藤井亮輔, 近藤宏, 矢野忠. はり・きゅう業の経営実態に関する全国調査 はり・きゅう業者の患者数、施術料金、年収. 全日本鍼灸学会雑誌. 69(3):176-84, 2019. 18) 福島正也. ツイートの分析からみた鍼施術による長胸神経麻痺に関する報道の影響.日本東洋医学系物理療法学会誌. 44(2):73-7, 2019. 19) 藤本英樹, 金子泰久, 泉重樹, 櫻庭陽, 吉田行宏, 鳥海崇, 池宗佐知子, 玉地正則, 吉田成仁, 近藤宏, 古屋英治. スポーツ選手を対象とした鍼灸治療の有害事象調査. 全日本鍼灸学会雑誌. 70(1):14-25, 2020. 20) Maruyama H, Sakai S, Dewachter L, Dewachter C, Rondelet B, Naeije R, Ieda M.Endothelin-1 induces lysyl oxidase expression in pulmonary artery smooth muscle cells. Can J Physiol Pharmacol. 98:629-636, 2020. 21) Maruyama H, Sakai S, Ieda M. Active sexipag metaboline MRE-269 increases endothelin receptors in pulmonary artery smooth muscle cells. European Heart Journal. 40:ehz746.0732, 2019. doi: 10.1093/eurheartj/ehz746.0732. 22) Miyauchi T, Sakai S. Endothelin and the heart in health and diseases. Peptides. 111:77-88, 2019. doi: 10.1016/j.peptides.2018.10.002. 23) 吉川一樹, 鮎澤聡, 福島正也, 櫻庭陽, 石山すみれ. 片頭痛に対する後頭部C2末梢神経野鍼通電療法 天候の変化による発作の誘発が軽減された一症例. 全日本鍼灸学会雑誌. 69(3):204-9, 2019. p69 ◇総説、その他の学術論文 1) 鮎澤聡. ニューロモデュレーション総論. CLINICAL NEUROSCIENCE. 37(4):384-7, 2019. 2) 飯田藍, 近藤宏, 佐久間亨, 堀田直哉, 木下裕光. 関節リウマチ患者の膝痛に対する鍼治療の一症例. 医道の日本. 78(1):212-8, 2019. 3) 井口正樹. 第13回アイオワ大学研修報告. 筑波技術大学テクノレポート. 27(1):49-53,2019. 4) 井口正樹. 第14回アイオワ大学研修報告.筑波技術大学テクノレポート. 27(2):30-4, 2020. 5) 井口正樹, 佐久間亨, 杉田洋介. 評価実習前後の学生による自己評価結果の考察. 筑波技術大学テクノレポート. 27(1):17-20, 2019. 6) 石崎直人, 周防佐知江, 鮎澤聡. 視覚障害学生のための国家試験自主学習ツールとしての東洋医学用語検索システムの有用性と展望―「こくしくん」への実装と課題 ―. 筑波技術大学テクノレポート. 27(2):1-5, 2020. 7) 石崎直人, 鶴浩之, 斎藤宗則, 深澤洋滋, 増山祥子, 金子泰久, 若山育郎. WFASトルコ大会における執行理事会、学術交流、中国大規模RCT解説. 全日本鍼灸学会雑誌, 70(1):75-91, 2020. 8) 近藤宏. 特例子会社におけるヘルスキーパーの雇用に関する調査. 関東甲信越地区視覚障害教育研究会会報. 53:50-7, 2020. 9) 近藤宏, 櫻庭陽, 香田泰子, 石塚和重. スポーツイベントでの鍼・マッサージ施術による視覚障がい者のボランティア活動 いきいき茨城ゆめ国体自転車競技(ロードレース)リハーサル大会でみえた課題. 筑波技術大学テクノレポート. 26(2):69-73, 2019. 10) 櫻庭陽, 一柳智顕, 黒川淳二, 玉井ちはる, 曽我部暢彦, 宇都宮信博, 日浅早人. 東洋医学を取り入れた健康運動ケアワークモデルの試み-貼付型鍼刺激による疼痛管理が運動効率や運動意欲に及ぼす影響-. 平成30年度健康運動指導研究助成研究成果報告書. 18-23, 2019. 11) 白岩伸子, 近藤宏. 2018年度オーストラリアシドニー工科大学研修報告. 筑波技術大学テクノレポート. 27(1):38-42, 2019. 12) 鈴木英雄, 菅野直美, 酒井俊, 柳川徹. 歯科医院のための内科学講座 全身管理・全身疾患を見据えた補綴治療のススメ(第24回). 補綴臨床. 52:78-91, 2019. 13) Donoyama N. Differences in autonomic nervous activity during 10 minutes of massage, whirlpool bathing, or normal-tub bathing. the Journal of Balneology, Climatology and Physical Medicine. 82(1): 31, 2019. 14) 殿山希. 現代社会における手技療法(あん摩・マッサージ)の有用性についての研究. 筑波技術大学テクノレポート. 27(1):91-92, 2019. 15) 成島朋美. 視覚障害あはき師向け研修会の充実を目指して-就労視覚障害あはき師の研修ニーズを探る-. 筑波技術大学テクノレポート. 27(1):122-3, 2019. 16) 野口栄太郎, 三浦寿幸, 大鹿綾, 福島正也, 皆川洋喜, 白石優旗. 令和元年度学生生活研究会報告. 筑波技術大学テクノレポート. 27(2):42-9, 2020. 17) 三浦美佐. サルコペニア・フレイルを防げ!~血液透析中の運動療法と電気刺激の有用性~. 日本血液浄化技術学会雑誌. 27(2):163-4, 2019. 18) 三浦美佐, 上月正博. 慢性腎臓病のリハビリテーション医療. The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 56(特別号). S265-S265, 2019. 19) 三浦美佐, 上月正博, 伊藤修. 腎臓リハビリテーション医療. The Japanese Journalof Rehabilitation Medicine 56(特別号). S413-S413, 2019. 20) 三浦美佐, 白岩伸子, 木村典子. パーキンソン病患者に対する下肢陽圧免荷陽圧運動による機能改善効果の研究. 筑波技術大学テクノレポート. 27(1):100-1, 2019. p70 ◇学会発表、学術講演 1) 鮎澤聡, 石山すみれ, 松下明, 柴田靖. 一次性頭痛に対する後頭部C2末梢神経野鍼通電療法. 一次性頭痛に対する鍼灸治療の効果とその果たす役割-頭痛診療における鍼灸の有用性について. 第47回日本頭痛学会総会 シンポジウム3. 2019.11.15. 埼玉県浦和市. (日本頭痛学会誌. 46(2):341, 2019) 2) 石松菜摘, 近藤宏, 櫻庭陽, 渡邊健, 堀田直哉, 白石一博, 佐藤俊, 八重樫久都. 国民体育大会プレ大会での鍼・マッサージの啓発活動 利用者へのアンケート調査分析. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.5.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:171, 2019) 3) 石山すみれ, 柴田靖, 鮎澤聡, 松下明, 松村明. 一次性頭痛に対する後頭部C2末梢神経野鍼通電療法の効果について. Functional connectivityを用いた検討. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.5.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会愛知大会抄録集. 68:158, 2019) 4) Ishiyama S, Shibata Y, Ayuzawa S, Matsushita A, Matsumura A. Neuromodulation by electroacupuncture for migraine: An analysis using resting state functional magnetic resonance imaging. 19th Congress of the International Headache Society. 2019.9.5-8, Dublin, Ireland. (Cephalalgia. 39:178, 2019) 5) Ueda A, Hirayama A, Nagai K, Yamagata K. Proactive pd+hd combination introduction: a preliminary report on a novel highly efficient strategy for renal replacement therapy. 56th ERA-EDTA, 2019.6.13-16 Hungexpo, Budapest, Hanguary. (Nephrology Dialysis Transplantation, 34(S1), June 2019, gfz103.FP560) 6) 小倉孝之, 近藤宏. 円背を有する背腰痛患者に対する鍼治療 鍼治療と理学療法の併用が効奏した1症例. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.5.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会愛知大会抄録集. 68:178, 2019) 7) Kaneko Y, Fujimoto H, Kondo H, Sakuraba H, Izumi S, Yoshida N, Ikemune S, Yoshida Y, Toriumi T, Tamachi M, Furuya E. The use of acupuncture in athletes of individual sports and team sports in Japan. The 24th Annual Congress of the European College of Sport Science 2019.7.3-6. Prague, CZH. 8) 河原忍, 殿山希. 自閉症スペクトラム症に対するあん摩マッサージの効果(研究プロトコル). 第84回日本温泉気候物理医学会学術集会. 2019.5.18. 岡山県岡山市. (第84回日本温泉気候物理医学会学術集会抄録集. 76, 2019) 9) 近藤宏, 寺澤智博, 田中千里. 緊張型頭痛に対する鍼治療の有効性および費用対効果. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:159, 2019) 10) Kondo H, Fujimoto H, Kaneko Y, Izumi S, Sakuraba H, Yoshida N, Yoshida Y, Ikemune S, Toriumi T, Tamachi M,Furuya E. Survey of the actual condition of acupuncture and adverse events of marathon runners. The 24th Annual Congress of the European College of Sport Science 2019.7.3-6. Prague, CZH. 11) Sakuraba H, Ayuzawa S, Narushima T, Ohwada S, Hirayama A. Effect of acupuncture on autonomic nervous system of hemodialysis patients: A randomized, double-blind, placebo-controlled preliminary sutudy. 12th European Congress for Integrative Medicine. 2019.9.13-15, Barcelona, Spain. (12th European Congress of Integrative Medicine, 1st International Symposium on Integrative Health and Education. 105, 2019) 12) 櫻庭陽, 一柳智顕, 黒川淳二, 玉井ちはる, 曽我部暢彦, 宇都宮信博, 日浅早人. 円皮鍼を取り入れた介護予防運動教室の実践. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:198, 2019) 13) 櫻庭陽, 平山暁, 能勢ひさ子, 大和田滋. 血液透析前後における自律神経活動の変化.第64回日本透析医学会学術集会. 2019.6.28-30. 神奈川県横浜市. (日本透析医学会雑誌.52(Suppl.1), 2019) 14) 佐々木孝浩, 藤井亮輔, 石崎直人. 視覚障害開業施術者の臨床に対する意欲に関する質的研究 MAXQDAを用いた分析から. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:154, 2019) 15) 佐藤駿, 近藤宏. 鍼灸を受療する腰痛患者の慢性・難治化リスクの評価 Start Back Screening Toolによる分類とその有用性. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:180, 2019) 16) 白岩伸子, 玉岡晃, 大越教夫. 水痘・帯状疱疹ウイルス感染症関連神経疾患の臨床的検討. 第60回日本神経学会学術大会. 2019.5.22-25. 大阪府大阪市. 17) 杉田洋介, 伊藤克彦, 櫻井繁樹, 酒井俊, 久野譜也. 2型糖尿病患者において心外膜脂肪は無症候性左室機能障害および運動不耐性と密接に関連する. 第74回日本体力医学会大会. 2019.9.20. 茨城県つくば市. 18) Damdintseren Nyamkhuu, 石崎直人, 櫻庭陽, 成島朋美, 藤井亮輔. 鍼灸手技療法の利用継続に関わる要因分析 既存データの解析と追跡調査のプロトコル. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:156, 2019) 19) 殿山希. 10分間のマッサージ、ジェットバス入浴、ジェットなし入浴における心臓自律神経活動の相違(2). 第84回日本温泉気候物理医学会学術集会. 2019.5.18. 岡山県岡山市. (第84回日本温泉気候物理医学会学術集会抄録集. 61, 2019) 20) 成島朋美, 水出靖, 野口栄太郎. 多壮灸刺激が麻酔ラット胃内圧に与える影響 基礎研究から検討した施灸技術. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:216, 2019) 21) ノライニ・アズリン, 成島朋美, 水出靖, 野口栄太郎. てい鍼による麻酔ラット足底点状刺激が誘発する反射性反応. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:191, 2019) 22) 一柳智顕, 黒川淳二, 玉井ちはる, 曽我部暢彦, 宇都宮信博, 日浅早人, 櫻庭陽. 地域資源を目指した開業鍼灸師による介護予防運動教室の取り組み. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:198, 2019) 23) 一柳智顕, 黒川淳二, 玉井ちはる, 曽我部暢彦, 宇都宮信博, 日浅早人, 櫻庭陽. 開業鍼灸師チームによる介護予防運動教室の報告. 第31回全日本鍼灸学会中国四国支部学術大会. 2019.10.27. 愛媛県松山市. 24) Hirayama A(招聘講演). Gut-Kidney Cross-Talk, Uremic Toxin, Oxidative Stress.The 9th biennial meeting for the Society for Free Radical Research Asia (SFRR Asia 2019) Kyoto International Community House, Kyoto, Japan. 2019.4.4-7. 25) Hirayama A, Nagano Y, Akazaki S, Ueda A, Aoyagi K, Lee MC, Oowad S, Sato K. Hemodialysis procedure cannot control long-life carbon center radicals which lead to advanced glycation/lipid peroxidation end products. 56th ERA-EDTA, 2019.6.13-16. Budapest, Hanguary. (Nephrology Dialysis Transplantation. 34(S1), June 2019, gfz103.SP457.) 26) 平山暁, 赤﨑さとみ, 長野由美子, 青柳一正, 大和田滋, 佐藤圭創. 生体適合性の改善にも係わらず,血液透析では依然としてラジカル連鎖反応下流の炭素中心ラジカルを制御できない. 第72回日本酸化ストレス学会. 2019.6.27-28. 北海道札幌市. 27) 平山暁, 富田勉, 青柳一正. 生体微小撮影による,各種駆?血剤の微小循環における標的血管と血流増加機序の映像化解析. 第70回日本東洋医学会総会. 2019.6.28-30. 東京都新宿区. 28) 平山暁(招聘講演). Let It Be… Radical ESRによる生体フリーラジカル計測のヒストリー. 第31回腎とフリーラジカル研究会. 2019.11.16. 東京都大田区. 29) 平山暁, 長野由美子, 青柳一正. 一重項酸素消去活性からみた漢方製剤の抗酸化能と効能の対比. 第76回日本東洋医学会関東甲信越支部総会. 2019.11.17. 栃木県宇都宮市. 30) 平山暁(招聘講演). 血液透析における生体適合性と酸化ストレス シンポジウム「臨床医療とバイオマテリアル」. 第41回日本バイオマテリアル学会. 2019.11.24-26. 茨城県つくば市. 31) Hirayama A. Connotation of weak antioxidants/pro-oxidants in the traditional prescriptions of Kampo, Japanese traditional medicine. The 9th Joint Meeting of the Society of Free Radical Research Australasia and Japan. 2019.12.11. Sydney, Australia. 32) 福島正也, 石崎直人. 胃食道逆流症に伴う慢性咳嗽に対する鍼治療の一症例. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:218, 2019) 33) 藤本英樹, 金子泰久, 泉重樹, 櫻庭陽, 吉田行宏, 鳥海崇, 池宗佐知子, 玉地正則, 吉田成仁, 近藤宏, 古屋英治. スポーツ選手を対象とした鍼灸治療の有害事象調査 競技に支障をきたすトラブルに着目して. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12.愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:170, 2019) 34) Fujimoto H, Kondo H, Kaneko Y, Izumi S, Sakuraba H, Yoshida N, Yoshida Y,Ikemune S, Toriumi T, Tamachi M, Furuya E. Survy of the adverse events of acupuncture and moxibustion for athletes in Japan. The 24th Annual Congress of the European College of Sport Science 2019.7.3-6. Prague, CZH. 35) Matsuzaki H, Hirayama A. Measurement of Multiple Radical Scavenging Activity as a diagnostic method for autism spectrum disorder in children. The 16th conference of Asian society for mitochondrial research and medicine, the 19th conference of Japanese Society of mitochondrial research and medicine (16th ASMRM and 19th J-Mit). 2019.10.3-5. Fukuoka, Japan. 36) 三浦美佐(招待講演), 平山暁, 平山陽, 伊藤修, 上月正博. サルコペニア・フレイルを防げ!~血液透析中の運動療法と電気刺激の可能性. 第46回日本血液浄化技術学会学術大会・総会. 2019.4.20-4.21. 東京都千代田区. 37) 三浦美佐. Effects of electrical stimulation on muscle power and biochemical markers during hemodialysis in elderly patients: a pilot randomized clinical trial. (2019年度日本透析医学会奨励賞受賞記念講演). 第64回日本透析医学会学術集会. 2019.6.28-30. 神奈川県横浜市. 38) 三浦美佐(招待講演). 第64回日本透析医学会市民公開講座,慢性腎臓病とリハビリテーション. 第64回日本透析医学会学術集会. 2019.6.28-30. 神奈川県横浜市. 39) 三浦美佐, 上月正博, 原田卓.末期腎不全患者におけるAPI・AVIの変化について. 第25回日本心臓リハビリテーション学会学術集会. 2019.7.14-15. 大阪府大阪市. 40) 三浦美佐(招待講演), 上月正博, 原田卓, 伊藤修. 心臓リハビリテーションにおける腎臓の影響. 第25回日本心臓リハビリテーション学会学術集会. 2019.7.14-15大阪府大阪市. 41) 三浦美佐(招待講演). 透析領域での低周波電気刺激の実際~内部障害患者に対する科学的な理学療法アプローチについて~. 第6回日本骨格筋電気刺激研究会特別集会. 2019.11.2. 東京都中央区. 42) 三浦美佐(招待講演), 斎藤知栄, 山縣邦弘. 多職種で取り組むCKD重症化予防~運動指導のあり方~. 第13回日本CKDチーム医療研究会. 2019.11.2. 東京都中央区. 43) 三浦美佐(招待講演), 伊藤修, 上月正博. 慢性腎臓病のリハビリテーション医療. 第3回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会. 2019.11.15-16. 静岡県静岡市. 44) 三浦美佐(招待講演), 平山陽. 虚弱透析患者に対してのカルニチン投与と下肢電気刺激療法の併用効果について. 第47回千葉県透析研究会. 2019.12.15. 千葉県千葉市. 45) 三浦美佐(招待講演), 上月正博. 虚弱透析患者に対してのカルニチン投与と下肢電気刺激療法の相乗効果. 第10回日本腎臓リハビリテーション学会. 2020.2.22-23. 東京都新宿区. 46) 三浦美佐(招待講演). 腎臓リハビリテーションにおける治療戦略~物理療法の観点から~. 第10回日本腎臓リハビリテーション学会, 2020.2.22-23. 東京都新宿区. 47) Mizugaki A., Matsui Y., Matsuba K., Nogusa Y., Inoue Y., Toyoda T., Kato H.,Miyakawa S.:Cystine and glutamine alleviates the exercise-induced disruption of gut barrier function, through suppressing inflammation. The 24th Annual Congress of the European College of Sport Science 2019.7.3-6. Prague, CZH. 48) 李昌一, 小松知子, 春田史織, 青木淳平, 赤崎さとみ, 横山滉介, 菅野範, 吉田圭司郎,片山幸太郎, 森本佳成, 平山暁, 佐藤圭創. 唾液を用いた電子スピン共鳴(ESR)法による健康食品素材の抗酸化能評価-健康 長寿を目指した抗酸化薬剤・食品開発への応用3. 第72回日本酸化ストレス学会. 2019.6.27-28. 北海道札幌市. 49) 渡邊健, 近藤宏, 鮎澤聡. 坐骨神経鍼通電療法における安全性・再現性の高い刺鍼法の提案. 第45回日本東洋医学系物理療法学会学術大会. 2020.3.8. 東京都文京区. 50) 渡邊健, 鮎澤聡. 安全性の高い坐骨神経鍼通電療法の研究. CT画像を用いた鍼刺入路の解剖学的検討. 第68回全日本鍼灸学会学術大会. 2019.05.11-12. 愛知県名古屋市. (第68回全日本鍼灸学会学術大会抄録集. 68:222, 2019) p75 ◇学術以外の講演 1) 鮎澤聡. 脳神経外科学・電気生理学とその臨床応用. 東京都盲人福祉協会施術者講習会. 2019.7.28. 東京都大田区. 2) 鮎澤聡. 機能的治療を考える?神経外科からコミュニケーション?. 脳神経外科学東京都盲人福祉協会施術者講習会. 2019.8.25. 東京都新宿区. 3) 福島正也. 令和元年度日本東洋医学系物理療法学会実技研修会「眼精疲労に対する低周波鍼通電療法」. 2019.8.25. 東京都文京区. 4) 福島正也. 令和元年度卒後鍼灸臨床手技研究会「眼精疲労の病態とマッサージ療法」講師. 2020.1.26. 東京都文京区. 5) 櫻庭陽. M-Testの基礎・実践セミナー「経絡と動作から診る診断と円皮鍼の活用法」. セイリン株式会社仙台営業所セミナー. 2019.7.28. 宮城県仙台市, 2019.12.1. 岩手県盛岡市. 6) 櫻庭陽. 東洋医学を用いた健康運動. いせはら筋活特別講義. 2019.12.15. 神奈川県伊勢原市. 7) 沢崎健太, 櫻庭陽. M-Test 初学者スペシャルセミナー. 第13回ケアワークモデル研究会学術総会. 2019.09.22. 東京都豊島区. p76 ◇公開講座、イベント等 1) 鮎澤聡. 令和元年度筑波技術大学公開講座「医師のための鍼灸実践講座」. 2019.7.14-15. 茨城県つくば市. 2) 櫻庭陽. 第36回守谷ハーフマラソン「ボディケアブース」企画・運営. 2020.2.9. 茨城県守谷市. 3) 櫻庭陽. 脳もカラダも鍛える東洋医学と健康運動. 令和元年度筑波技術大学公開講座. 2019.8.3, 9.1. 茨城県つくば市. 4) 櫻庭陽. 第74回国民体育大会いきいき茨城ゆめ国体2019. メイン会場 鍼マッサージブース 企画・運営. 2019.9.28-10.8. 茨城県ひたちなか市. 5) 櫻庭陽, 成島朋美. 治療しても大丈夫?初学者のための1DAY 鍼灸セミナー. 令和元年度筑波技術大学公開講座. 2019.8.31. 茨城県つくば市. 6) 櫻庭陽, 成島朋美. 第74回国民体育大会いきいき茨城ゆめ国体2019 バドミントン会場 鍼マッサージブース 企画・運営. 2019.9.29-10.2. 茨城県石岡市. 7) 福永克己, 松井康. つくばパラフェス2020の企画・運営. 2020.2.9. 茨城県つくば市. ◇外部獲得資金等 1) 鮎澤聡. 科学研究費助成事業 (基盤研究(C) 一般) . 視覚障害教育における情報障害支援のための学習ツールの開発とタブレット端末の活用. 代表. 2018.4-2022.3 2) 井口正樹. 科学研究費助成事業 (基盤研究(C) 一般). 視覚障害者の運動機能の特徴とバイオフィードバックを用いたトレーニングに関する研究. 代表. 2018.4-2021.3 3) 石崎直人. 科学研究費助成事業 (基盤研究(C) 一般). 我が国における鍼灸治療利用の実態と利用者の意識及び満足度に関する全国調査. 代表. 2019.4-2022.3. 4) 佐久間亨. 科学研究費助成事業 (若手研究(B)). 視覚障害者スポーツのための触覚フィードバックシステムの開発. 代表. 2016.3-2020.3 5) 佐久間亨. 科学研究費助成事業 (若手研究). 視覚障害教育における情報補償機能を備えた動作分析シミュレータの開発. 代表. 2019.4-2022.3 6) 櫻庭陽. 科学研究費助成事業 (基盤研究(C) 一般). 血液透析患者の疲労感に対する鍼治療-自律神経機能評価によるDBRCT. 代表. 2017.6-2020.3. 7) 櫻庭陽. 奨学給付金(セイリン株式会社). 医療や健康に貢献できる鍼灸および関連デバイスに関する研究. 代表. 2018.11-2021.3. 8) 白岩伸子. 厚生労働行政推進調査事業補助金(難治性疾患政策研究事業). スモンに関する調査研究. 分担. 2019.4-2020.3. 9) 殿山希. 日本対がん協会2018年度リレー・フォー・ライフ・ジャパン (RFLJ)「プロジェクト未来」研究助成金. がんサバイバー、各ステージのがん患者、医療従事者、介護家族向けマッサージプログラムの作成とエビデンスの構築:Hospital-based massage therapy for cancer careの確立を目指して. 代表. 2018.12-2021.11 10) 平山暁, 植田敦志, 富田勉. 科学研究費補助金(基盤研究(C) 一般). 補腎剤の抗酸化機序の解明による, プロオキシダントを用いた酸化ストレス治療の開拓. 代表. 2018.4-2021.3. 11) 平山暁.瘀血・血虚に用いられる漢方方剤の薬理効果と証による差の映像化—先端スピン応用医学の東西医学への展開7.筑波技術大学競争的教育研究プロジェクト事業.2019.4-2020.3 12) 平山暁. 共同研究 医療法人社団晴山会. 酸化ストレス制御を通じた加齢関連疾患の診断治療に関する研究. 13) 平山暁. 中外製薬研究活動支援事業. 酸化ストレスコントロールにより全身病態改善を指向する腎臓リハビリテーション. 14) 福島正也. 科学研究費助成事業 (若手研究). 視覚障がいのある学生と医療者に配慮された臨床評価支援アプリ (UD-MAP) の開発. 2019.4-2022.3 15) 松井康. 科学研究費助成事業(若手研究). レーベル遺伝性視神経症の持久力について-ミトコンドリアDNAの変異に着目して-. 代表. 2018.4-2021.3 16) 丸島愛樹, プエンテスサンドラ, 平山暁, 鈴木謙介, 鶴嶋英夫, 滝川知司. 科学研究費補助金(基盤研究(C) 一般). ナノ粒子化活性酸素消去剤による脳虚血再灌流障害の神経血管ユニット保護療法の開発. 分担. 2018.4-2020.3 17) 三浦美佐. 令和元年度日本心臓リハビリテーション学会最優秀演題賞. 2019.7.14. 18) 三浦美佐. 研究助成(奨学寄附金). 虚弱透析患者に対してのカルニチン療法と下肢電気刺激の効果について. 代表. 2020.3.14~ 19) 三浦美佐. 研究助成 (奨学寄附金) . 慢性腎不全患者への微弱電気刺激による身体機能改善の効果について. 代表. 2019.4.1~ p78 年譜 (1)管理運営体制の整備 平成3年4月 附属診療所設置 平成4年4月 保険医療機関として指定、附属診療所・施術所(東洋医学診療センター)開所 平成17年10月 4年制大学化に伴い名称を東西医学統合医療センターに変更 平成20年 4月 医療関係職員(看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、薬剤師)の所属を、視覚障害系支援課から統合医療センター所属に変更 運営委員会に保健管理センター長、鍼灸学専攻長、看護師長及び視覚障害系支援課長を追加平成22年度 運営委員会委員の「保健管理センター長」、「鍼灸学専攻長」は「保健学科から学長が指名する者」に変更 (2)診療体制の充実 ※開設当初は理学診療科のみ 平成19年11月 助教及び特任教授を採用 平成20年 7月 特任教授を統合医療センター教授として配置 平成22年 4月 精神科の診療を開始.大学院設立.研修制度開始. 平成23年 4月 リハビリテーション科の診療を開始(施設基準:運動器リハⅢ,脳血管疾患リハⅢ) 平成25年10月 リハビリテーションの施設基準の変更(運動器リハⅢ→Ⅱ) 平成26年 5月 内分泌・代謝内科の診療を開始 平成27年 5月 あん摩・マッサージ・指圧外来を試行開始 平成27年10月 西棟竣工(リハビリ室の移設,あん摩・マッサージ・指圧外来を開始) 平成29年 5月 心大血管疾患リハビリテーションⅡの施設基準の認定を受け運用を開始 令和 元年 11月 リハビリテーション施設基準の変更(運動器リハⅡ→Ⅰ,心大血管リハⅡ→Ⅰ)   (3)診療施設・設備の充実 平成21年度 患者アメニティーの向上 ・診察室の改修 ・身障者用トイレの設置 ・医療機械設備更新 平成22年度 統合医療センター1階廊下に手摺り取付け 平成23年度 統合医療センター太陽光発電設備を設置 平成24年度 統合医療センター1階・2階のトイレの改修及び天井扇設置 平成25年度 医事計算機システム及び磁気共鳴診断撮影装置(MRI)更新 画像ファイリングシステム(PACS)導入 平成27年度 西棟を増築(リハビリテーション科及び施術部門) 平成29年度 放射線骨密度装置更新 令和元年度 電子カルテ導入 p80 東西医学統合医療センター開設から年度毎の総患者数 H17 総患者数13117 施術部門患者数8405 H18 総患者数13540 施術部門患者数8844 H19 総患者数13052 施術部門患者数8437 H20 総患者数12929 施術部門患者数8079 H21 総患者数13790 施術部門患者数8778 H22 総患者数14690 施術部門患者数9205 H23 総患者数14823 施術部門患者数8595 リハビリ患者数2004 H24 総患者数16494 施術部門患者数8314 リハビリ患者数3165 H25 総患者数17318 施術部門患者数8414 リハビリ患者数3459 H26 総患者数17666 施術部門患者数8800 リハビリ患者数2738 H27 総患者数18985 施術部門患者数9321 リハビリ患者数3667 H28 総患者数19621 施術部門患者数9210 リハビリ患者数4298 H29 総患者数20106 施術部門患者数9331 リハビリ患者数4312 H30 総患者数21040 施術部門患者数9404 リハビリ患者数4914 R1 総患者数22559 施術部門患者数9862 リハビリ患者数5641 東西医学統合医療センターにおける令和元年度の総患者数 4月 総患者数1796 施術部門患者数817 リハビリ患者数408 5月 総患者数1725 施術部門患者数846 リハビリ患者数395 6月 総患者数1791 施術部門患者数874 リハビリ患者数456 7月 総患者数2133 施術部門患者数1013 リハビリ患者数564 8月 総患者数1661 施術部門患者数798 リハビリ患者数460 9月 総患者数1775 施術部門患者数781 リハビリ患者数409 10月 総患者数2102 施術部門患者数859 リハビリ患者数600 11月 総患者数2284 施術部門患者数754 リハビリ患者数512 12月 総患者数1990 施術部門患者数810 リハビリ患者数515 1月 総患者数1799 施術部門患者数783 リハビリ患者数485 2月 総患者数1741 施術部門患者数740 リハビリ患者数440 3月 総患者数1762 施術部門患者数787 リハビリ患者数397 p81 編集後記 木村 健作  当医療センターの年報は,現センター長の鮎澤先生のご発案により企画が開始し,令和3年1月に,ついに発刊することができました. 「分厚いものを作ろうと背伸びし過ぎずに,創刊号なので先ずはまとめてみる」といった,鮎澤先生からのアドバイスをもとに歴史をたどり,様々な先生に寄稿文をお願い致しまし た.私は当センターに所属になってから歴史が浅い職員なのですが,歴代センター長の先生方や立ち上げ時に尽力された先生方など,タイトなスケジュールにも関わらず,快く執 筆を引き受けて頂けました.また原稿受領後に,原稿をお願いした先生と廊下ですれ違った時などに寄稿のお礼を申し上げた際には,下っ端の私にねぎらいの言葉をかけてくださ り,心温まる思いでした.  手前味噌に聞こえるかもしれませんが,年報の編集作業を経て,私自身が改めて「この医療センターは,アピールポイントが多いなぁ」と実感致しました.所在地が大通りに面 していないため,立地こそわかりにくいですが,中身は様々な診療科や施術部門が充実しており,なかなか真似できる医療施設ではないと感じました.  当医療センターがコロナ禍に負けず,今後とも発展していくよう願いながら,来年度には年報第2号が発刊できるように,我々職員も一層精進していきたいと思います.読者の 皆様方におかれましては,引き続きご声援よろしくお願いいたします. 筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センター年報 創刊号 第2版 〒305-8521 茨城県つくば市春日4-12-7 筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センター TEL:029-858-9590 (8:30~17:00) URL:http://www.k.tsukuba-tech.ac.jp/cl/ 2021年1月28日発行 編集委員長 鮎澤 聡 編集委員 木村 健作,成島 朋美,櫻庭 陽 印刷 (株)イセブ