リハビリテーション
診療の流れと当院でのリハビリの特徴
リハビリテーション治療は医師が診察の上、リハビリテーション処方箋を作成することから始まります。理学療法士は医師の診断に基づき、患者さんの身体運動機能や関節などの痛み、生活環境などを総合的に評価し治療プログラムを作成します。また当センターでリハビリテーション治療と鍼灸治療の両方を行う場合には、担当の医師、理学療法士、鍼灸師が定期的にカンファレンスを行い情報交換や治療方針の決定を行います。
当院のリハビリの特色として、以下の点が挙げられます。
- 診療部門や鍼灸部門と協働して機能回復を図っています。
- 心肺運動負荷試験を行い、個人の症状や体力に応じた心臓リハビリテーションや呼吸リハビリテーションを実施しています。
- 踵骨棘や外反母趾による足部の局所的なストレスを軽減させる目的でインソール(足底挿板)を作成することがあります。一人一人の歩き方と足の形を複合的に加味したオーダーメイドインソールを作成します。
- レッドコードを使用した運動療法を実施しています。
- 下肢痛や運動麻痺があっても陽圧免荷式トレッドミルを使用して体力強化や歩行訓練が可能です。
- 運動療法用の個室が4部屋あり、入口や個室のドアの縁取りの色を濃い配色とするなど、プライバシーや視覚障害の方に配慮した屋内構造となっています。
リハビリテーション治療の内容
運動器不安定症
運動器不安定症とは、膝痛、腰痛、筋力低下、バランス能力の低下等で、立つ・歩くことが難しくなり、介護が必要となる危険が高い状態です。リハビリでは疼痛緩和や筋力強化、柔軟性、バランス能力などの運動機能の回復を図ります。
パーキンソン病
パーキンソン病の治療はお薬と運動療法が両輪です。リハビリでは筋力強化やストレッチなどの運動療法を行います。また自宅で簡単に行えるリハビリ体操の指導も行います。またパーキンソン病以外にも神経や筋肉に障がいのある患者さんへの運動療法なども行います。
脳卒中後遺症
脳梗塞や脳出血の後遺症で手足に麻痺が残り、身体が思うように動けなくて困っている方に、歩行練習や日常生活動作の練習などを行います。脳卒中とは脳の血管が詰まる、破れるなどして脳細胞が壊死する疾患です。
脳卒中の後遺症を挙げると、身体機能障害では片麻痺や運動失調などの運動障害、さらに痛みやしびれなどの感覚障害と多様な症状があります。教本通りのリハビリテーション治療ではうまくいかないことも多く、患者さんの個々の特性に適応した治療プログラムが必要です。当センターでは脳卒中後の慢性期や生活期に分類される方に対して、理学療法士によるリハビリテーションの計画立案および治療を行っており、目的は獲得した機能を可能な限り長期に維持することです。具体的には、脳梗塞や脳出血の後遺症で手足に麻痺が残り、身体が思うように動けなくて困っている方に、歩行練習や日常生活動作の練習などを行います。
小児疾患
脳性麻痺などの障がいをもち、筋肉の緊張が強く、身体が思うように動かないお子さんの運動発達の支援を行います。脳性麻痺などをもつ子どもの成長には、子どもの「こころ・からだ・ことば」を育む継続的で包括的なリハビリテーションが必要です。包括的なリハビリテーションでは、子どもとその家族を中心に据えて医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士などが多角的に支援するのが理想的ですが、当センターの場合、医師と理学療法士のみの診療のため「からだ」の運動発達支援が中心となります。
乳幼児期ではお座り・ハイハイ・立つ・歩くなど基礎的な動作獲得を目指します。この時期における身体運動の発達は、言語を話し聞くことや他者とのコミュニケーションの土台となるものです。ご家族の方々も積極的に関わっていただきたいと思います。学童期・青年期になると学校など社会との関わりが増える一方で、体重の増加に伴い運動不足になることがあります。当センターではスリングエクササイズといって体重をロープで支えた状態で行う運動や、陽圧免荷式トレッドミルという空気圧で体を持ち上げて歩行トレーニングを行う機器を用いて積極的な運動が行えます。「リハビリ」というより「トレーニングジム」に近いイメージです。程よく汗を流すほどの運動は健康な体づくりに大切で、なにより気持ちが良いものです。
通院の頻度はお子さんの状況をみて決定しますが、必要であれば毎週1回40分の個別の理学療法を提供する体制を整えています。他施設で作業療法や言語聴覚療法等を継続しながら当センターで理学療法を行うことも可能です。
スポーツ外傷・障がい
スポーツ外傷・障がいでお悩みのスポーツ選手やスポーツ愛好家の方に対して、怪我の機能回復、再発予防のためのリハビリを行います。
心血管疾患
運動療法により、心血管疾患 (冠動脈疾患、慢性心不全、心臓手術後、末梢動脈閉塞性疾患)の方の体力強化、再発予防を行います。
呼吸器疾患
運動療法により、呼吸器疾患 (慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、気管支拡張症、間質性肺炎など)の方の労作時の息切れ軽減や体力強化を行います。また、日常生活で息切れを悪化させない動作のコツを指導しています。
施設基準・機器設備
リハビリテーション施設基準
運動器リハビリテーション料 (Ⅰ)、脳血管リハビリテーション料 (Ⅲ)、心大血管疾患リハビリテーション料 (Ⅰ)、呼吸器疾患リハビリテーション料 (Ⅰ)
機器設備
運動療法
- 自転車エルゴメーター
- Red Cord (スリングエクササイズセラピー)
- バランストレーニング
- 筋力トレーニング機器
物理療法
- 超音波治療器
- 低周波治療器
- ホットパック
- 過流浴
測定評価
- 多用途筋機能測定装置(BIODEX system4)
- 重心動揺計
- 筋量計
- 超音波検査機器(四肢体幹の骨格筋、関節内のみ)
- 心肺運動負荷試験機器一式
スタッフ
医師(リハビリテーション医)
菅谷 久
*循環器専門医による心大血管リハビリテーション,神経内科・脳神経外科専門医による脳血管リハビリテーションも実施しています。
理学療法士
杉田 洋介、木村 健作、工藤 綾乃、荒川颯太、三浦 美佐、井口 正樹、中村 直子、佐久間 亨、松井 康、小山真吾
午前 9:00-11:30 |
午後 13:00-15:30 |
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月 |
杉田 洋介 |
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火 | ||
水 | 木村 健作 工藤 綾乃 荒川 颯太 小西 美佳 |
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木 | ||
金 |